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SHADES LIVE REPORTS

2005-2007

 

 

 2007年7月28日 ライブ報告  神田 イゾルデ ライブ  (BOOGIE CHILEN 共演) 

 

この日の東京はもうそろそろ梅雨明け宣言が出てもいいくらいの夏日でした。とにかく蒸して暑く、おりからの「隅田川花火大会」と「参議院選挙戦最終日」と重なって、世間がざわついている感じでした。

 

シェイズの今年2度目の今回の神田ライブは前回の冬から5ヶ月ぶりのご無沙汰でした。

共演は「BOOGIE CHILEN(ブギーチレン)」さん。一年ちょっと前に四谷で共演して以来、親交をあたためてきた音楽仲間です。

 

そのサウンドはストーンズ・ライクなオリジナル・ロックンロールをベースにした陽気で華やかなものです。

シェイズのサウンドとはその傾向が全く違うのですが、今回バンマスの僕はあえてこのサウンドの違いを聞き比べ、両者を楽しんで頂こうと考え、合わせて取り合せの妙に2つのバンドが互いにインスパイアされることを期待してこのライブを企画しました。

 

ほぼ満席状態の会場はそれぞれのバンドのサポーターさんが酒を飲み食事をとりながらの熱い声援で満たされていました。

 

一番手のブギーチレンさん、サービスしてくれた2曲のストーンズのコピー曲以外は全てオリジナルで詳しい資料が手元に無いため全体の印象のみを書かせてもらいますが、このバンドの最大の魅力はフロントのツイン・ギターに集約できます。

 

僕は何度かこのバンドのステージを見てきましたが今回のように二つのギターのサウンド・コントラストが際立って聞こえたことはありませんでした。

まさにウェット&ドライ。 好対照のサウンドが以前にも増して特徴的になり、曲中での役割分担も何かふっきれたようなサラっとしたアレンジに微妙に変化していました。

 

二人のギタリストはそれぞれ自分のアンプを持ち込む気の入れようでしたが、そんなことも多少効を奏したのでしょうか。

Wakaくんの粘った腰のあるトーンに暖か味を感じ、Hatくんの枯れたキレのいいトーンにある種の軽快さとシンプルさを感じ、その両者がうまくミックスされたかなりブライトでレイドバックしたサウンドをバックのフレットレス・ベースのYamaくんがうまく支えていました。最初はYamaくん、少し不機嫌そうなベースを弾いていましたが、中盤あたりからのってきたのか、かなりスイングするラインをきれいな指使いで弾き始め、サウンドに厚みがでてきました。

 

そして特筆すべきはドラムのHiraくん。

深くダークなスネアのトーンが最高にマッチして、じつに落ち着いたリズムキープをしていました。彼の当夜のプレイは今まで僕が聞かせてもらった中では最高の部類だったと思います。

控えめなドラムを叩く印象が強かったHiraくんが曲の頭出しでいいリードをとっていましたし、曲の間(ま)やチャーリー・ワッツばりのフィルインもなかなか落ち着いていてこじゃれた感じでした。うん、なかなか聞き応えがあってよかったです。

ヴォーカルのYossyくんは相変わらずホットでパワフル。いつ衣装を脱ぎ捨てるか、こっちはヒヤヒヤもので見ていましたが、中盤、やっぱりハラリと脱いじゃいました。その辺から急に会場も温度が上がってきたような感じでした。おしかったのは彼のヴォーカルのマイクがオン過ぎること。

マイクの入力キャパを超えたオンマイクでは肝心のオリジナル歌詞がほとんど聞き取れません。だからヴォーカルが聴感上かなり重くなります。あとせめて5cm離れて歌ってもらえば、改善されると思える点なのであえて苦言を言わせてもらいます。

 

ブギーチレンさんは確実にそのサウンドが角の取れたものになりつつあり、言い換えれば安定と風格が備わってきた感じです。独りよがりになりがちな「オリジナル曲」を多くの人に支持してもらうにはお客の耳に心地いい部分が必要です。このかなり重要なポイントを押さえつつある彼らの進歩にこれからも僕は熱い視線を送るし期待もしています。がんばってください。

 

さて、シェイズ。

 

恒例のセットリストの紹介をしながら気づいたことを書いておきます。

 

2007.07.28 イゾルデ・ライブ・セットリスト

 

01 アルケミー(フィリップ・セイス)

02 アソート・アタック(マイケル・シェンカー・グループ)

03 炎の街(ブルー・オイスター・カルト)

04 ウィッシング・ウェル(フリー)

05 ミストリーテッド(ディープ・パープル)

06 イン・トランス(スコーピオンズ)

07 キングス&クイーンズ(エアロスミス)

08 リトルウイング(エリック・クラプトン)

09 スターゲイザー(レインボー)

 

10 メイクアップ(フラワー・トラヴェリン・バンド)

11 バーン(ディープ・パープル&ホワイト・スネーク)

 

去年このイゾルデでライブをやった時のオープニングは皆さんを驚かせたピンクフロイドでした。

シェイズは今までと違い初めてインストの曲をオープニングに持ってきました。

曲想からすれば02あたりがスタートにはよさそうなんですが、まずはゆっくりとしたギターのバラードで始まるのも、前のバンドさんとの対比においては上策と考えました。

 

01ではその一番目立つギターにポロポロと緊張感をそがれるようなフレージングが出てしまいましたが、やはり一曲目というのは余分な力みが出てしまうものなのです。ちょっとおっかなびっくりにベースを付けていました。ドラマーにとっては格好のスタートとなったようで、こういう曲でウォームアップをしていくのはいいことだと思いながらなんとか終わりまで大きな問題も無く行けました。

 

02はかなりの難曲なのですがマイケル・シェンカー・フリークとしては避けて通れないシェイズのレパートリーです。今回初披露です。やはり難しい部分テンコ盛りでした。

 

03は30年以上前から(学生時代のトリオの頃から)やっている曲です。懐かしくてやりました。

慣れているはずの構成をうっかり間違えるあたり、シェイズもけっこうシャレがきついです!

 

04、05は再演です。定番レパートリーなのでまぁ無難にこなせます。さほど緊張感を要求する曲でもなく中盤にやるにはちょうどいいかな、って感じです。

 

06も30年来のレパートリーでトリオ編成でよくやってたものです。中間部のツインボーカルの無伴奏のハモリが全曲の中心点で、ここのハモリをはずすと全てが台無しになります。なのでこの部分が近づくと嫌な予感が走って気が重くなります。今回は一番最後の音程が不安定になりました。これはサイド・ヴォーカルの僕のせいです。

 

07は初披露曲。キーボード姫のリクエストです。重々しいリフと粘るメロディーライン、中間部のベース・ソロなどちょっと多彩に変化します。今回はグレン・ヒューズ版を参考にしました。

まぁまぁの出来でした。

 

08は定番曲。当夜来てくれるあるお客さんのリクエストです。何度もやっているのでついつい緊張がない演奏になってしまいます。でもやっていてイマジネーションが膨らんでいく曲でもあり、毎回とは言いませんが、大切にやっていきたい曲の一つです。

 

09はご存知、大曲です。何も難しくはないのですが、スタートからエンディングまでをドラマチックにクレッシェンドしていくのが難しいのです。しょっぱなからフルにしちゃうと後が続かないのです。中近東風のクロマチック・メロディーがなんか妙にイヤらしくて出来れば別の感じに差し替えたいところですが、なかなかそうはいきません。曲にぴったりハマっているからです。

多分ウチのギタリストの好みではないフレーズを延々と弾かせるのは気の毒でしたが、こういう曲こそ例えればマラソンと似ていて「ペース配分」が必要なんですね。それと原曲のドラムのフレーズが品のないものなので(コージー・パウエル)これを完コピするのも何か照れくさい気分になり今後この曲がレパートリーとして生き残るかは、かなり疑問になってきました。

 

インターバルがあって本割外の二曲はもう体力勝負でした。

 

10は古きよき時代の日本のロック。CMでも使われたのでFTBの曲としては有名な部類になるでしょう。キーボードが主体のシンプルなロックです。ベースの連続リフが執拗に繰り返されるので、ステージ後半の体力的にはきつかったです。だってこの後11が控えていますから!

これはウチのドラマーのたってのリクエストでしたが、けっこうよかったです。

単純で短いから気が楽なのです。

 

11はシェイズの定番曲です。聴感効果が派手なのでオープニングかアンコール用として使ってきてだいぶになりました。

数年前初めてこの曲を手がけた時はさすがに難曲で体力も要る長い曲でした。そんな曲を練習のたびに遊び半分でちょっとづつ音出しを続けた結果、いつのまにか完奏出来るようになりました。でも毎回やるとどこかでルーズな部分が出来てきてしまいます。そんな事もあって今回のこの曲はアレンジを変えてみました。

中間部のキーボード・ソロのあと、ホワイト・スネーク版を使って、同じディープ・パープルの「ストーム・ブリンガー」を挿入したのです。二つの曲はキーが一音違うので多少の違和感を感じるのですが、この部分はちょうどリフで押していく最中なので聴く人の驚きの方が大きく、あっという間に曲調が変化してしまう、ちょっとしたマジックなのです。「ストーム~」のさわりをちょっとやったら元のキーで曲が帰ってきます。

ここまでくると演奏している方もさすがに安堵してくるものです。最後の歌も終わり、さぁエンディングだ、と思った瞬間、「ステージの魔物」の襲来でした。

何でもない、ほんと何でもないエンディングが2コーラス伸びてしまったのです。

ありえません! 通常こんな部分でミスるなんて完全に想定外です。

それにまたこのエンディングはかっこうがいい所なんで、ここをミスで外すのは絶望的大失敗なのです。

でもそれを僕らリズム隊は(名誉のために言いますが、ギターとKbとVoは正確でした。多分)涼しい顔をしてやってしまいました。かっこよく終わろうとしていたギターはパニック顔をしてましたが、こちらがケロっとしていたので苦笑に変わっていました。

 

どうしてノーミスでステージが終われないのでしょうかね?

必ずどこかに魔物が棲んでいて虎視眈々とその機会をうかがっています。些細な部分でのミスは聴感上分からないことが多いですが、キメの部分で魔物が来ると怖いです。悲惨です。

聞いてくれている応援の友人バンドのせせら笑いが聞こえてくるようです。

間違えるハズのないところでのミスは正直言ってこたえます。

なにしろまったく予期しないアクシデントみたいなものですから、事前の練習もできません。

 

今回のライブは大魔物と小魔物がちょろちょろと登場しました。

えっ?その時の僕らですか?・・・・もちろん涼しい顔でその場をやり過ごしたのは言うまでもありません。

 

そしてそして最後のセッション。

曲目とキーだけは事前に打ち合わせたのですが、みんなで合わせるのはぶっつけ本番なんです。技術的にはそれほど難しくないこの2曲ですが、バンドの枠を超えて音楽をやるのはとても有意義だし楽しいものでした。

 

1曲目:カムトゥゲザー(ビートルズ)

2曲目:ホンキートンク・ウーマン(ストーンズ)

(リズム隊はシェイズ。ギターはブギチレの二人。ヴォーカルはシェイズとブギチレ)

 

最後に暑い中ご来場の皆様、応援の仲間たち、本当にありがとうございました。

おかげで楽しい時をいっしょに過ごせました。

 

次回のライブでまたお会いしましょう。

 

 

 

  

   

 2007年2月11日 ライブ報告  西荻窪 テラ ライブ  (SHERRY MAMA 共演) 

 

前回のライブ、シェリー・ママさん主催の赤坂グラフィティ・ライブに出演した時、あるライブハウスのマネージャーさんが客席におられました。

西荻窪に去年9月にできた「TERRA」(テラ)というその方のお店に出ないか、と打診されたのは赤坂ライブが終わってからすぐのことだったと思います。そしてそのお話しは年が明けてから具体的な話の段階に入り、今回のシェリー・ママさんとの4度目の共演という形で出演が決定したのでした。

 

2月11日、三連休の中日。 日中は記録的と言われ始めた暖冬のせいか気温はまぁまぁでしたが午後、夕方と時間を追って冷たい北風が強風となりました。

お客さんは大変だろうなぁ、と思いつつシェイズは定刻15時にテラに入りました。サウンド・チェックのためのリハを数曲やったところで、シェリー・ママのメンバーさんたちも到着。

各30分程度の音出しでウォーミング・アップをしました。

 

会場には約50個の椅子と十数個の予備椅子がセッティングされましたが、当夜はどう考えてもこの数を上回る来場がある見込みなので、出演者一同、ちょっと心配していました。

お客が来ないという心配ではなくて、来過ぎるという心配。なんとも贅沢・生意気な心配ですよね。

 

結果は立ち見をお願いすることになる超満員。チャージを払って頂いた立ち見のお客様にはほんとうに申し訳なく思っています。

 

さて、シェイズは今回2番手(最後)をお引き受けしましたので、まずはシェリー・ママさんが定刻の19:00に演奏を開始しました。なにしろ会場は身動きの取れない状態になっていましたので僕ら2番手は裏の控えにいるしかなく、彼らのステージをちゃんと見ることができないでいました。

ステージからかすかに洩れてくる音に聞き耳をたてていましたが、元気そうな演奏が聞こえてきたので一安心して出番を待ちました。

 

シェイズは定刻20:30に演奏を開始しました。客席は若干の入れ替えがあった模様で、ステージ手前の狭いスペースに出番を終えたシェリーさんたちがフロアに座って応援にまわってくれました。

 

では今回のセットリストを紹介します。

 

1. WISHING WELL 

2. SHINE ON YOU CRAZY DIAMOND

3. LAZY

4. STILL GOT THE BLUES

5. SUPERSTITION

6. LITTLE WING

7. LOOK AT YOURSELF

 

8. PURPLE HAZE

 

** ** ** **

 

9. YOKOHAMA HONKY TONK BLUES

10. BURN

 

新曲扱いは#1と#4でした。

 

 

 

オープニング曲はいつも悩みの種なのですが、テンポといい重さといい、ちょうどシェイズのスタートにはいい感じのインパクトがあるということでこれにしました。この曲は歌い出しの部分が低い音程なのでちょっとボーカルがしんどいかな、と思いましたが、後半のキーチェンジでよく声が伸び始めたのでほっとしました。

 

さらに前々回のステージで意外と好評だった#2をキーボードのロングトーンによるイントロでつなげました。前回よりサイズを長くしてあります。その部分は歌の出だしの前です。叙情的なキーボードのソロを加えて、歌の出る瞬間をもったいを付けて演出できました。この曲はいつも受けます。 って言うか、みなさん静かに聴いてくれますね。

 

同じくキーボードが活躍するおなじみになった#3をくっつけました。比較的大きい曲で、KbとGが見せ場をもっています。リズム隊は4ビート的なノリを大切にしながら流れ良く進んでいけました。DVD映像でプレイバックを聴くと中間のキーボード・ソロが素晴らしい出来なんで、感激してしまいました。コロコロと転がるような流れの良い姫の演奏は今までで最高の出来かもしれません。本人はどう認識しているのか聞きたいです。あのソロには100点あげたいです。

 

#4はギター相澤のフェヴァリットです。とにかく泣きまくるメロディーをほとんどフル・コピーのギターが弾きまくっています。会場のお客さんの一人が「うへ~、フル・コピーじゃん!」と驚くほど彼のギターはその音楽と同化していましたね。他のパートは体力温存曲となります。

 

#5はやはり難曲です。リズムが細かい上に、浮き足立ってしまう危険に絶えずさらされる曲なんです。コピー元はBBAのジャパン・ライブのバージョン。 なんとか終わればしめたもの、って感じです。なかなか上手く出来ないのは技術的に隙の無い持続力が必要だからなんです。チャンスがあればいつも挑戦していきたい曲です。

 

#6はシェイズにとってはおなじみのナンバー。そつなく終了でした。

 

#7は前回のオープニング曲。 イントロとエンディングを短縮してコンパクトにさらっと仕上げました。技術的には何の問題もありません。

 

#8は本割りの最後を飾るにはちょっと小柄な曲ですが、意外とお好きな方が多いのでサービスのつもりでやりました。

 

アンコール用の2曲のうち、最初にやるのは日本の歌謡ブルースです。

松田優作バージョンを取り入れ、お客さんを日本語の歌詞で和ませる選曲です。スローテンポなのでボーカルがMC及びメンバー紹介を入れることができます。結果的にお客さんは喜んで聴いてくれたようです。

 

最後の曲には「あれ、やってー」と客席から声が掛かるようになった、シェイズの定番をもってきました。演奏効果がある曲ですが同時に体力的にタイトな曲なので途中よりもやはり最後の方が「全力を出し切って終わる」という感じになっていいのでは・・・ということになりました。

数年前、この曲に初めて挑戦した時のメチャクチャぶりが今では遠い昔のようです。継続すればこんな難しい曲でもレパートリーに成り得るのですね。

 

 

今回の会場になった TERRA さんはオーナーさんがミュージシャンでもあるので楽器(特にドラムのチューニングなど)の状態がとてもよかったです。また、モニターのバランスも良くて演奏する側としてはとてもやりやすいステージでした。ただし前半のシェリー・ママさんの時、途中でベース・アンプがちょっと不調になったのが、プレイしていたせっちゃんには気の毒でした。

その時は会場が歩く場所もないほど混雑していて、ベースの近くに僕が居てあげられなかったのが悔やまれます。

 

終演後は多くのお客さんが遅くまで残ってくれて、お店側のおもてなしもあり、とても楽しい歓談の時間になりました。

こんなに楽しい飲み会が待ってるライブはそうそう無いと思いました。

 

だから・・・音楽はやめられないのです!

 

 

 

さぁ、次回はいつ、どこでみなさんとお目にかかれるのでしょうか?

3~4ヶ月後くらいでしょうか。

 

その時は早めにこのシェイズのウェブ・ページにインフォメーションを掲載しますので、どうぞお見逃しのないよう、そして次回もまた大いに期待してくださいね。

 

 

2006年10月8日 ライブ報告  赤坂グラフィティ・ライブ  (SHERRY MAMA 主催) 

 

あれからちょうど一年。 シェイズはまた赤坂に戻ってきました。

天気は秋晴れ。朝から気分のいい日です。 6月の神田イゾルデ・ライブ終了直後より暑い夏を乗り越えて練習を重ねてきた成果を発表する日です。

 

そこそこのキャパを持つ赤坂グラフィティでのお祭りライブ・・・シェイズは2度目のお誘いを頂いて、この楽しいステージに立つことができました。

まずはこの場を借りて主催者シェリーママさん、ようこさん&きよさんご夫妻に心からのお礼を申し上げたいと思います。

 

赤坂ライブは今書きましたシェリーママというバンドさんが年1回行う音楽のお祭りです。

年々来場者が増加し、会場のキャパを上回る大変多くのお客様が今年もおみえになりました。

開場前は地下にある入り口から長い入場待ちの列ができ、その光景を見て出演者の我々もさすがに気をぐっと引き締めたのでした。

 

 

出演者は演奏順に

1.ビハインド・ブルース (今回はトリオ編成で名を「ぷっちぶる」として登場)

2.オールド・キッズ

3.シェイズ

4.シェリー・ママ

でした。

 

もう十分ご存知と思いますが、1.3.4.は共演歴が複数回ある、ある意味同窓会的なバンド同士です。さらに2.と4.は長い共演歴を誇っています。したがって初対面・初共演的な緊張感はなく、本当に音楽が好きな連中が自分も楽しむけれど、人もうんと楽しませたいという志をもって臨む一つの集団によるライブというのがこの赤坂ライブの一大特徴なわけです。

 

では、定刻を多少過ぎてスタートしたこのライブの報告をシェイズのバンマス(私)の独断で書いていきましょう。

 

まずはトップバッター(役目は切り込み隊) ぷっちぶる の登場です。今回で我々シェイズとは実に4回目の共演となります。先に書きましたが2人いるギタリストの一人「白熱ギターのKotaくん」が都合によりお休みとなりまして、ギター一本(灼熱のギター、Hidekiくん)でのトリオ編成でした。それによってあの伝説となった?三声の自慢のコーラスワークができなくなりましたが、セットリストを巧みに組み直してまさに直球勝負といった感じで攻め込んできました。

 

以前にも書きましたが、1番手は会場の雰囲気を音楽集中へと導く大事な役目があります。

まだ開場後のざわつきが残るお客さんに音楽をしっかりとキャッチしてもらう環境を作り出すのが今回のぷっちぶるさんの仕事と言えます。

シェイズはこの1番手の仕事が好きですが、ぷっちぶる さんは前回一番手だった我々を上回る手際のよさで見事、会場全体をお祭りライブの熱狂に導いてしまいました。

セットリストにも工夫と努力の跡がはっきりと見られ、リーダーとして、リードボーカルとして、またベースマンとしてShiroくんはさぞや大変だったであろうリーダーシップをよく果たしたと彼らの演奏を聴いていて僕は熱いものが込み上げました。

 

トリオ編成ということで多少の音の隙間が出るかな、という思いは杞憂に終わり、どうしてどうして密度の濃いタイトなサウンドが出てきました。オープニングは前回のイゾルデ・ライブと同じ華やかな曲で勝負をかけました。お客さんが全員ステージを注視したのをはっきりと目撃しました! あらかじめ赤坂はお祭りだよ、と彼らには言っていたんですが、アップテンポの曲でぐいぐいと引っ張る戦法を取らず、中盤にフリーのバラードを持ってきたあたりに彼らの不敵さがよく出ていてこちらもニンマリとしてしまいました。終曲はドゥービーズ。正攻法です。ベースの細かいリズムを弾きながらのボーカルは熱演でしたよ。

彼らの人柄の良さが前面に出た音楽へのアプローチは多くのアマバンドの一つの指針となると確信しているうちに怒涛の切り込み隊は、その仕事を完璧にこなしました。

 

 

ここで2番手、オールド・キッズさん登場です。1年前もここでシェイズは共演しましたが、編成やステージングなどが前回とは全く違っていました。おそらく今回が本当のカタチなんだろうと思います。前回のやや散漫なステージとはうってかわり、一つのサウンド傾向に集中したまとまった演奏を繰り広げてくれました。なんでも練習が嫌いなメンバーさんがいるとか・・・確かに不完全な演奏の瞬間もあるにはあったのですが、彼らの演奏する曲目はどれもそうした些細な部分を忘れさせる楽しいものでしたから、全体に非常にリラックスした、お客さん受けするステージでした。これも一つの形式であると思います。

 

ベンチャーズ/ビートルズですっかり和んだ会場は突如予期しなかったクラシックの清いサウンドに包まれました。ロックなんてただの騒音だ~、と思っていらしたかどうかは分かりませんが、涼しい表情をした一団がバイオリンやチェロをステージに持ち込んでモーツァルトそのほかの弦楽合奏を聞かせてくれました。会場はコーヒーブレーク状態になっていましたがシェイズは出番間近となり、当初想像していた「さらに盛り上げ隊」の仕事を一旦返上して「第二の切り込み隊」となることを決意したのでした!

 

 

何と言ってもシェイズは爆音隊ですから、お客さんの耳が静かで涼しげな音楽に順応してしまうのが一番やりにくいわけです。

さぁ、しばしセッティングの時間を頂いて満を持してのスタートです。

 

まずはセットリストです。

 

1. LOOK AT YOURSELF (対自核:ユーライア・ヒープ)

2. ALL RIGHT NOW (フリー)

3. SUPERSTITION (迷信:Sワンダー・BBAバージョン)

4. MOVE OVER (ジャニス・ Tak松本バージョン)

5. YOU GIVE LOVE A BAD NAME (ボンジョビ)

6. LAZY (ディープ・パープル)

7. STRANGE KIND OF WOMAN (ディープ・パープル)

8. BURN (ディープ・パープル)

 

どうです? このセットリスト。 シェイズっぽいし、シェイズっぽくないし。

前回のイゾルデ・ライブではピンクフロイドをオープニングに持ってきてサプライズを狙いましたが何度も言うように赤坂はシェリーママさんの個性が光るお祭りライブです。そのことを十分に意識したオープニング・ナンバーがオールド・ロック・ファンにはおなじみの「対自核」でした。

オリジナルは技術的にどうということも無いシンプル・ナンバーですが、イントロは第2の切り込み隊らしくドラム先導でお客さんの関心を引くオーソドックスな手法を取り入れました。

その上にMCを重ね、一気に付点リズムでダンサブルにもっていこうと考えたのでした。

 

無難に終わらせることができたオープニングでしたが、音を切らずに続けた「オールライトナウ」でシェイズ始まって以来の大失態ともいえるミスを犯してしまいました。

歌とバックが四分の一コーラス分ずれはじめたのです。それも音が薄い部分で起きたので、お休み中の僕(ベース)は思わずステージ中央に出て修正を試みました。その間わずか10秒程度でしょうか、空中分解状態だったアンサンブルが次の曲調チェンジの部分で自動修正されました。こういう凡ミスは我々のステージ歴にはあまりないことで、この時受付付近にいたシェイズのマネージャー:敦子姫は聴いていて冷や汗が出たと言っていました。

練習中に頻発するようなミスならともかく、普段はやったこともない突発的なミスにはさすがに慣れていないものですから「顔色一つ変えないで演奏していた」にも関わらずこちらも冷や汗ものでした。

 

3曲目「迷信」はパット・トラバース版を聴いたウチのギターの相澤が持ってきた曲でしたが、原曲を含めちょっとファンキーなサウンドなので、シェイズのカラーなのかどうか気になっていました。 が、僕が昔からのBBA(ベック、ボガード&アピス)の熱狂的ファンなのでベース・パートをこのBBAライブ・バージョンのものに入れ替えてみると、サウンドがみるみるうちにハードロックに変わっていくではないですか! ドラムもあの特徴的なアピスのハイハットのシンコペ・アクセントが仕上がってくるにつれてパワフルに変身。これによりギターもパットからジェフ・ベックに乗り換え、結果的にはBBAを元にすることになり、これが意外に見せ場になる曲に仕上がりました。

僕にとってこの曲のベースラインはかなり以前にコピーしていたきりで当時は完成することができず、今回人前で弾くのは初めてでした。トリオ(BBA)の音の隙間を埋めるべくリズム隊が小技満載で攻めまくるのに特徴があります。ボガード風に音を歪ませギターとのユニゾンでのリフを意識的に壊しながら同化したり遊離したりを繰り返すラインができました。

またこの曲においてはドラマー・竹内の真骨頂を見た思いでした。

 

4曲目のジャニス。もちろんシェリーママさんの18番でありますが、今回あえて「彼らにプレゼントする」という気持ちで選曲しました。それに本来の女性ボーカルでの曲調とは違う雰囲気をお客さんに味わっていただきたかったのでした。この曲ではボーカルの杉がとてもがんばってくれて、彼の熱唱はバンドの歴史に長く残るものでしょう。以前に初めてこの曲をやった時、彼はボイストレーナーのレッスンに通い発声練習をしていました。日本人には少々高いキーなのでこの曲をパワフルに歌うのは体力も必要です。彼はボーカリストとしてよくこの困難を乗り切ってくれました。サンクス!

 

5曲目。 いわゆるサプライズ選曲です。数年前シェイズはほんの遊び程度にこの曲をスタジオでやったことがありましたが、今回赤坂のために復活させました。誰もが知っている(最近ではCMでも)曲なんでしょう、とても分かりやすい音楽をここで投入しました。

シェイズは本来ならばこのあたりでバラードかスローテンポの曲を入れますが、今回のセットリストではそれをしませんでした。3番手として次のシェリーママさんにノリを繋いでいく使命があったからです。「へぇ、シェイズがこれをやるんだ~」との声が後であちこちから聞こえてきました。

でも僕らは楽しくやれました。

 

さぁ、ここからが怒涛のパープル攻めです。このスタイルが今のシェイズ風です。

後半はもっとポピュラーなロックを、との期待もあったでしょうが、シェイズの芸風はそれをよしとしません。やはり熱演・力演こそがハードロッカーの使命だと思う我々です。

おなじみになった「レイジー」は鍵盤姫の活躍が目立ちました。ライブで取り上げるたびに落ち着いたキーボードさばきになってきています。やや難しい指使いを強要される曲でもありますが、このところの彼女の技術は驚くほど向上しています。おそらくこの点はシェリーママのキーボード、Mr.ぎっちょんさんのようなプレーヤーさんならそれを認めてくれると確信します。

もうフロントでギターと対等に対決できるだけの度量が備わったと、彼女の人知れぬ努力に敬意を表します。ごくろうさん。

 

そしてセットリスト中の第2のサプライズはこの曲の中間部のハープ・ソロにシェリーママのバンマス・ようこさんのプレイを入れたことです。すでにイントロからどんどん増加していった曲のグルーブ感に途中からの合流にもかかわらず見事に合わせた演奏を披露してもらいました。このようこさんのハープ挿入は本番当日のリハで初めて合わせたもので、専門の歌もさることながらハープのプレイもリズム感も恐ろしく熱いものを感じさせてくれました。レイジー+YOKOは大成功だったようです。 ようこさん、ほんとうにありがとう。また一緒の時はやってください。予約しておきます。

 

三連発の2番目は「ストレンジ・カインド・オブ・ウーマン」。超有名なパープルのブギーナンバーですね。これはやっている方も楽しい曲です。冒頭のギターとドラムのマッチングが決まればあとはまぁ軽~く流していきます。エンディングはDPの形式にしましたが途中のギターとボーカルの掛け合いは時間の関係でカットしました。実は今回のセットリストにまっ先に入れたい曲として僕がこの曲を提案しましたが、長い演奏歴の中で不思議にも初めて人前でやりました。

あの73年のDPのブドーカン公演で僕がスタッフをしていた時、リッチーとギランが丁々発止のバトルを繰り広げていたのをドキドキしながらステージ脇から覗き込んでいたのを今回プレイしながらふと思い出していました。

時代は進み、今こうしてこの曲を万感を込めて弾いています。なんとも懐かしい気分でした。

この曲では普通には分からないかもしれませんがボーカルがとても味わい深く歌ってくれました。地味ですがこういう曲をウチのボーカルは丁寧にしかも確実に歌い切ることができるのです。これは自慢していいことだと思います。

 

終わりはもちろん「バーン」です。これで燃え尽きるのがシェイズの今の姿です。

この曲に手を出した当初、こんなのがサラ~っと出来たらいいねぇ、なんて憧れをもって話していたのがついこの間。気が付くとライブのラストはこの曲で勝負ということになっていました。

前進力のあるリフにクラシカルなメロディー。休む暇も無いくらいに凝縮された密度の濃い構成とバランスよく見通しの良い音楽は、もうこれが終わればどうなってもいい!と思ってしまうくらいの入魂のプレイにいつもなってしまいます。ミスをすればこの曲こそ取り返しのつかない大失敗となって演奏そのものがストップしてしまう危険性があるスリリングさも、無事に演奏し終えたあとの旨いビールを想像しながらなので恐怖感は全く無いのです。ただあるとすれば演奏中の「祈り」でしょうか。

これは燃えながら祈りをささげるような終曲なのです。

 

 

今回の赤坂でのステージ、ウチのあるメンバーはその評価を30点としました。マネージャーに冷や汗をかかせた大失敗がこの低い点数の主因でしょうが、バンドがまず肝に銘じなければならないことは「成功したステージとは練習をやっている時の再現ができた時」ということに尽きると思います。やはり人前に立つからには最低の礼儀としても充実した練習をしなければなりません。基本はメンバー全員が納得するまで反復練習をすることと、冗長に陥らず密度の濃い集中練習を心がけることだと思います。

 

その結果、お客さんから初めて入場料をいただける出演者となりえるのだと考えます。

 

 

さていよいよ最後のバンド、主催のシェリーママの出番となりました。

このバンドさんの最も顕著な特色は「お客を楽しませることと自分たちが演奏をしながら楽しむこととがシンクロしている」ことと僕は断言します。

これは非常にすばらしいことです。特にアマチュア・バンドはまさにこうあるべきです。

全14曲を超える大きなセットリストの各曲についての感想はあまりにも僭越なので控えますが、あえて僕なりに気づいた点をあげさせてもらえば、前回よりさらにヘビーになり、黒くなり、重心が低くなったことでしょうか。

特に目立った点はGFRを取り上げたことです。僕にすれば明らかに想定外の選曲でしたが、驚くほどこのバンドにはフィットしていましたね。

 

ギターのお一人、ヨタさんが弾いたギターの音色は去年と明らかな違いを聞かせてくれました。

音が「太い」のです。チューブの音ですね。これが非常によく空間を通り抜けて聞こえました。

演奏のクオリティが一気にアップした瞬間でもありました。もう一人のギター、チャーさんはこの一年でなんとリラックスしたプレイを習得したんでしょうか。安定感がさらに増してタメも十分にあり、大いに楽しみなプレーヤーさんですよね。

このお二人が上手く絡み合ってヘビーなサウンドが出来ていました。

バックのリズム隊は派手なパフォーマンスこそないけれども堅実なプレイでバンドの重心を低く安定したものにすることに貢献していました。

キーボードのぎっちょんさんはコード(和音)の組み立て方や構成音の展開に工夫されていましたね。過去に見られた「乱れ弾き」のようなワザは姿を消したようですが、代わりにリズム隊とボーカルとの間の架橋のような存在に徹していました。これは一つの見識だと感心して聴いていました。

 

これらの微妙なサウンド変化の上に乗って歌うようこさんも当然のように変化が感じられました。

黒くなりましたね。お肌のメラミン色素のことじゃないです!フィーリングがブルースとはちょっとベクトルが異なる黒さでした。選曲のせいもあるでしょうが、上半身を左右にゆするようなヨコノリが強くなりました。バックの重心が下がれば(建築物と同じで)上のパート(この場合フロント全員)が多少揺れても崩壊しない程度に、この夜ようこさんは自在に揺れていました。

彼女は元来音程がしっかりとれるボーカリストですから、この自在に揺れるフィーリングは今後の彼女にとって強い味方というか武器になることでしょう。ロックを歌っていてもちょっとジャズるところは現在のようこさんの興味の方向を示唆しているようで興味深いステージでもありました。

 

 

これが今回、2006赤坂ライブのリポート(と言っても感想文になりましたが)です。

出演したバンドは(自分のシェイズも含めて)みなさんいい方向に向かっていますね。

今後がとても楽しみです。

 

最後にご来場の皆様、ありがとうございました。そして主催のシェリーママさんとお仲間のみなさん、共演でお世話になったぷっちぶるとオールド・キッズのメンバーさん、よくしてもらってありがとうございました。

 

もしも、もしも許されるなら我々は来年もこの赤坂ライブでみなさんと楽しい時を過ごさせてもらいたいと願っております。それほど幸せな気分にさせてくれた秋の日のイベントでした。

 

 2006年6月24日 ライブ報告   シェイズ&ビハブル ジョイント・ライブ  

 

今回の神田「イゾルデ」でのライブは過去2度の共演歴をもつ「ビハインド・ブルース」(以下BB)さんとのお友達バンド同士のいわいるジョイント・ライブという形で実現しました。

 

梅雨の時期のライブ開催ということで天気を心配しましたが、不快指数は高いものの幸いにも明るい曇天となりお客さんの入りも想像を越えて上々(ほぼ満員御礼状態)で気分も良く楽しい演奏が出来たライブになりました。

 

 

去年の夏の「ロックバー:テキサスフラッド企画ライブ」(てきふらライブ at 四谷)において初共演をして以来、なぜか波長が合ってバンド同士のお付き合いが始まり、その半年後に再び同じステージに立った後、我々シェイズは独自に企画した今回の主催ライブにBBさんの参加を懇願して快く了承してもらい、さらに会場になった「イゾルデ」さんの全面協力によって「シェイズ&BB ジョイント・ライブ」が実現しました。両バンド、3度目の共演です。

 

BBさんは我々シェイズのメンバーより平均10歳は若いアメリカン・テイストな熱いハードロック・ブルース、そしてノリのよいオリジナル曲を多く持つ4人バンドです。

リード・ボーカルとベースを担当し音楽的な取りまとめとバンド外交(MC含む)を一手にこなす多芸で陽気なミュージシャン「Shiro」くん、 いつも控えめな存在ながらも本番では人が変わったように白熱のプレイをさりげなくやってしまうギター&ボーカルの「Kota」くん、一見すると学者風でインテリ、で、しゃべり始めたら恐ろしくノリのいいトークとヘビメタ系のギターを弾きまくる音量バランス破壊者「Hideki」くん、そしていつでも落ち着いた物腰で穏やかないい雰囲気を放っていながらドラムセットに座ると変幻自在なシンバルワークとシンコペーションのマジックでぐいぐいとバンドを引っ張る「Shoji」くん、この4人の織り成す音楽的にはやや明るめな空気感と抜けの良いリズム感、そしてフロント3人による透明なコーラスワークがとても魅力的です。

さらに4人とも人当たりのいい気持ちのいい性格をもっているところがシェイズのメンバー全員のお気に入りなのです。

さて、今回のライブではこのBBさんの華やかなキャラでステージの先陣を切っていただくお願いをしましたので、定刻、彼らはリハにおける種々のサウンドトラブルをはねのけて、難曲「GOODBYE ELENORE」で元気にスタートをしてくれました。

 

彼らのセットリストを紹介します。(「Shiro」くんのブログより無断転載)

 

1. GOODBYE ELENORE(TOTO)

2. MIGHT JUST TAKE YOUR LIFE(DEEP PURPLE)

3. WALK AWAY(JAMES GANG)

4. JESUS IS JUST ALRIGHT (ALLMAN BROS)

5. ROCK BOTTOM (UFO)

6. CARRY ON WAYWARD SON (KANSAS)

ENCORE: BLUES FOR CHARLIE(ORIGINAL)

 

後日、彼らのHPに詳細なライブレポが「Hideki」くんあたりから掲載されるでしょうから、そちらに譲りたいと思いますが、一つだけ僭越にも言わせてもらえるなら・・・#5の「Rock Bottom」の初出についてはかなりのインパクトがありました。冒頭、ShiroくんのMCにあったようにこの曲のライブバージョンはかなり長い演奏時間を誇ります。BBさんはツインギターの特色を全面に押し出して(その代りBsのShiroくんは「押し出され」て客席に座り、バックを付けていました)大迫力のギターバトルを展開。「UFO/MSG」にはちとうるさい当方も口あんぐりでその成り行きに興味深々。 早めに終わらせようともがくDs「Shoji」くんの想定外のエンディング・サインも「ミス」ということで処理され、さらに二人のギターは燃えたのでした! うん、よかった!ベスト・パフォーマンス賞を差し上げます。

それともう一つ、アンコールのオリジナル曲は僕も以前から大好きで、頂いたCDでよく聞いていました。生で聞いたのは初めてでしたが、さすがによくこなれた演奏でとてもかっこよかったと思います。

 

さてさて、シェイズです。

当日は会場入り前に2時間ほど音出し調整を秋葉原のスタジオで行い80%くらいの出来に満足し(ここで100%だと本番でポシャります)神田へ移動しました。

2つのバンドがリハを終えたところに、我々の縁結びの神、てきふらの関根マスターが陣中見舞いに顔を出してくれました。今日はお店の営業日なので残念ですがビア2杯で帰られましたが、本音は全部見ていってほしかったです。

 

 

シェイズのセットリストを掲載します。

 

1. SHINE ON YOU CRAZY DIAMOND (ピンク・フロイド)

2. FEEL A PAIN (ハイドラ)

3. STORY OF THE BLUES (ゲーリー・ムーア)

4. LAZY (ディープ・パープル)

5. THE ANSWER  (フランク・マリノ)

6. MOVE OVER  (ジャニス・ジョップリン)(アレンジ版)

7. BURN (ディープ・パープル)(グレン・ヒューズ版)

 

アンコール

1. PURPLE HAZE (ジミ・ヘンドリックス)(マホガニーラッシュ版)

2. ヨコハマ・ホンキートンク・ブルース (エディ播)(松田優作版)

 

過去もこれからもなんですが、シェイズのオープニング曲には驚いてほしいと常に思っています。前回のライブはトップバッターを志願して「バーン」という激しい曲で静かな会場に切り込みをしましたが、今回のセットリストの大まかな特徴は、静から動へ、そして余韻を引いて・・・です。

 

まさかあのシェイズがピンクフロイドでスタートするなんて!と驚いたお客さんが多かったんじゃないかと思いますが、その#1ではキーボードの遥かな地平線を暗示するかのようなほのかなロングトーンでの幕開けでした。すぐギターのあの独特のチョーキングを多用したイントロが始まると、お客さんからどよめきとともに大きな喝采がありました。僕はこの瞬間、このライブは成功した、と思いました。序盤のスローな曲から徐々に燃えるような曲に変化しクレシェンドしていく様子は、演奏していても心の中の盛り上がりと全く同期してごく自然に白熱していきました。

 

前半は#4で中締め。シェイズ本来のブルース・フィールな曲を並べて、まずは様子をみていました。

続く#5-6-7は休みなく続くようにエンディング(イントロ)を工夫しました。#5のたてノリのハードなリフは前半の「静」との決別を意味します。黒煙を吐き出すような#5に続いて真っ赤に燃える#6はオリジナルのもつある種の演奏上の弱さを完全に払拭するかのようなハードなアレンジでトライしました。スピード感をつけたこの演奏は次の#7への序奏のようなものです。

Dコードで終わる#6は聴感上違和感のないサブドミナントへ下がりあっという間に#7へなだれ込みます。この辺の流れはBBの「Shiro」くんがしっかりと聞き取ってくれていて彼のブログに記述がありました。まったくいい耳を持った男であります!

 

ステージ上は熱気むんむんで汗が滝のように出始めていました。さかんにギターの相澤が「自分の音が聞こえない」とSOSを出していましたが、客席はお構いなくアンコールの怒号。

それも前回の終曲「リトル・ウイング」を、というものでした。今回はその要望には答えられずにどうしようかと一瞬思ったその時、相澤は機転をきかせ、用意していたアンコール用の曲の順番を入れ替えるというウルトラCを思いつき、僕に言ってきました。OK!そしてそれが見事にいい結果を出しました。

ボーカルにとっても、この逆転の発想はよかったようで、アンコール1曲目に持ってきた「パープル・ヘイズ」でテンションが完全に上がりきって、会場と同化していくのが分かりました。

この盛り上がりに満足していただいたんでしょうか、客席に満たされた気分が漂ったその時、隠し玉で用意していた日本の歌謡ブルース「ヨコハマ・ホンキートンク~」は唐突に始まりました。短いイントロが終わったあとは、ボーカルとお客さんとが合唱するところまで来ました。

皆さんが一緒に歌って終われるステージはいいものですね。シェイズの選曲には今までそれがなかったことに演奏しながら気がつきました。

マニアックな独りよがりの選曲はお客さんへのサービスと言う点ではNGなのかな?なんて思わされた瞬間でもありました。

それでもオープニングとエンディング曲がどちらもお客さんにとって意外な曲であったのも面白かったんではないでしょうか。

 

バンドとしては今後もマニアックで隠れたいい曲をどんどん選曲していきたいんですが、ライブの性格というものを無視したセットリストを作ると大きな落とし穴に落ちてしまうという怖さも勉強しました。次回皆様の前でプレイする10月の「赤坂ライブ」はお祭り的性格の強いライブ・イベントです。その辺のことをこれから熟慮して夏には気持ちも新たにセットリストを決めていこうと思っています。

 

今回快く共演をしてくださったBBのみなさん、ありがとうございました。10月も(また!)ご一緒ですね。今度はセットリスト情報を交換し合って主催バンド「シェリー・ママ」さんのステージへ上手くつながるようにしましょうか? 彼らを盛り立てるのも我々の役目の一部のような気がしますよね。

 

会場でPAのオペレートや受け入れの窓口をしてくださった「イゾルデ」の杉田氏とスタッフの皆様、おかげさまでライブは盛況のうちに終わらせることができました。

末筆で恐縮ですが厚くお礼申し上げます。

 

最後になりますが蒸し暑い中を、貴重な週末のお時間を割いて会場にお越しくださったみなさま、本当にありがとうございました。ぜひ、次回の赤坂ライブにもお出でいただけますよう、お願いいたします。                    (バンマス:いがらし)

 

 

  

   

 2006年2月19日 ライブ報告 てきふら企画ライブ第16回に出演 

 

新宿四谷荒木町の新名所:ロックバー「テキサス・フラッド」主催の名物ライブ「てきふら企画 酔客ライブVol16」にシェイズは2度目の出演を果たしましたのでここにライブレポートを書きます。

 

まずはこのライブの特徴をご紹介しておきましょう。

 

端的に言ってこのライブは「酔客出演者の酔客出演者による酔客出演者の為のライブ」ということになります。

主催者てきふら関根マスターは「てきふら団塊マスターの陰謀」でその趣旨を暴露しています。

(てきふらBLOG 2/20号)

 

開場2時間前に出演者全員が一同に集合し一団体15分程度のリハーサルを行うのですが、すでにお互いを知っているバンドさん同士はさっそくアルコールを控えめに?入れながら歓談し、他の今夜の出演者の音を興味津々で聞きます。約一時間ほどの公開リハでそこに集まった人たちは自然に打ち解けます。その後、開場~本番へと進みますが客が入っても出演者はみんな会場の席に着いたまま出番を飲食をしながら待つのです。

出番が終わればすでにバンド仲間となった出演者たちが大きな歓声をもって出迎えてくれます。

そして飲む・・・・。 ステージでは仲間の熱演。 時折バンド紹介のために主催者、関根マスターがマイクを握ります。この人こそこのライブのフィクサーであり、これだけ多くの酔客バンドを16回にわたって集め続けている立役者なのです。数百人ののロック好きの酔客がこの人を通して集まってきました。考えればすごい人なのです。

 

さて当夜は集合もリハも予定時間内にスパッと収まり余裕の時間が流れた後、いよいよ一番手の我々シェイズの出番となりました。会場の雰囲気をロックな世界に一変させる「切り込み隊」としての重責を担っているのでメンバーはいつもより気合の入れ具合が違っていたようです。

 

 

さあ当夜のセットリストを公開し順を追ってバンマスの僕が総括してみます。

 

#0 Purple Haze  フランク・マリノ&マホガニー・ラッシュ バージョン

 

セットリスト0番とはリハーサル時に演奏する本番では出番のない曲のことです。シェイズの性格は陰湿?なのでリハといえども本番でやる曲を公開したくないのです。

この曲はジミヘンよりぐっとスタイリッシュでハードにキメたフランク・マリノ版をコピーしています。

曲の単純な構成や技術的な面から、別にどうということもなくすぐに仕上がりました。基本的にはギターとベースの音量をこの曲を使ってチェックしています。又、ドラムスのウォーミングアップも兼ねています。途中歌2番のキメをドラムが忘れていたので90点。

 

#1 Burn  グレン・ヒューズ&ヨーロッパ  TOKYO LIVE バージョン

 

この曲がオープニングです。いきなりブリティッシュ系のクラシカルな様式美とハードさ抜群の文字通り火の出るようなスリリングな曲です。通常この手の曲はステージ終盤で演奏されるのが常ですが’94に来日したグレン・ヒューズバンドの川崎チッタ公演ではオープニングがこの曲でまさに空前絶後の歴史的名演となりました。(このライブアルバムは現在廃盤です)

で、シェイズは出だしをDの激しいロングトーンで聴き手に曲名を悟られないよう、また会場の雰囲気をハードロックの世界に瞬間に変えてしまおうとしました。その音塊が退いていくとハイハットの合図であの有名なリフが本家パープルよりも速いテンポで始まります。お客さんはここで歓声を一気にくれるはずです。事実、派手に頂きました!

ところが1分経過後に予期せぬアクシデント。キーボードの音が出なくなりました。

悔しいけれど演奏を止めなければなりません。バンドとしてはこのオープニングでいかにすばやくハードロックの世界にお客さんを連れ込むかを念願していただけに、これは痛恨の打撃でした。気を取り直して再度アタマからやり直しましたが、ちょっと精神的ショックが後を引きました。

でも演奏自体は一部シンコペーションの不安定さが露呈したものの最後まで決定的なミスもなく演奏し終えました。この曲はシェイズの長年の課題曲となっていて今回初めてこのライブでの披露となりました。 80点。(もっと上手くできたはず)

 

#2 Desert Song  マイケル・シェンカー・グループ  ライブバージョン

 

バーンが勢いよく終わると切れ目無しに2曲目がベースによって始まります。前曲がGで終わったのに対しこの曲のイントロはベースのEの連続音です。このキーチェンジが色で言えば赤から緑に変わるような雰囲気的な変化を聴き手にもたらします。シェンカー独特の哀感をもったメロディーが単純なバックに乗って歌われます。中間部のテンポが落ちる所は聞かせどころですが非常にきれいに音が出て大成功だったでしょう。 95点。

 

#3 They don't make them like you anymore  ロリー・ギャラガー

 

この曲は一転して4ビート系のリズムが全曲を支配しています。シェイズは学生の頃より好んで演奏していましたがここ10年以上演奏をしてませんでした。

ハードな曲に混じってひときわ異質なリズムとムードですが、ギャラガーの曲が持つ素朴で悲しいアイルランドの香りが漂ってきてお客さんはその変化に満足してくれたと思います。

ピアノが過度に重くならずギターをサポートしていたのでウォーキング・ベースを弾く僕も気分よくのっていけました。地味な曲ですがこれを今回演奏した事によってシェイズの鍵盤姫は技術的にも精神的なノリの面でも成長しました。 95点。

 

#4 Feel a pain  ハイドラ

 

今回のセットリストで重要な位置を占めるハイライト曲をあえてこの曲にした理由はシェイズの基本的サウンドであるヘビーなブルース・フィールをよく聞き取って欲しいと願ったからです。

ハイドラはアメリカのサザンロック系のバンドでしたが商業的成功を見ることなく来日することもなく消えていったバンドです。サザン系とはミスマッチな「ヒプノシス」のジャケットのアルバムは玉石混合の内容でしたが、それらの中でもやはりこの曲の持つ熱いハートは忘れる事ができませんでした。

スローでむせび泣くような孤高のギターフレーズはシェイズ:相澤の独壇場です。泣きに泣きまくった後、後半は前曲のような4ビート系のアップテンポに変化しますがそのイメージ変化が大変に美しく感動的です。シェイズはこの手の変化球をもった曲は得意分野です。テンポがアップする変化率の設定が難関でした。単純に倍になるとかなら簡単ですがこの曲は若干UPといった変化なのでちょっとでも遅いとギターの流れが澱んでしまうし逆に速すぎると浮き足立った音楽になってしまうからです。スローな部分とアップした部分の差が30~40%増で決まれば成功です。一般的にステージ上では若干テンポ感覚が速めになる傾向が多くのアマバンドにはあるので、十分注意したつもりです。結果、非常に安定したテンポ感がドラムによってスムーズに作りだされたのでこの中間部の始めで早くも僕は「上手くいった」と確信しました。

全体に冗長にならないよう各所・各パートに注意力と構成力を求められる意外に難曲のこの曲が上手く出来た事はバンドの力量が上向いている証でしょう。

ご存知の方が少ないと思われる曲ですが印象に残ったでしょうか? 98点。

 

#5 Lazy      ディープ・パープル

 

シェイズはその前身のバンド時代(30年程前)にこの曲を演奏していました。そして今回この曲の封印を解き(大げさですが!)久々に人前でやってみることにしました。

パープルの曲では少し異質の変わった曲ですが、ちょっとでもつっかえたりすると空中分解して大失敗をしてしまうような気を許せない曲です。

 

最近バンドで取り上げる曲にはキーボードが苦労する曲が多々あり、このレイジーもそんなキーボード(鍵盤姫)泣かせの代表曲でした。

彼女がこの曲で苦労することはバンマスとしては十分想像できたのですが、今のウチの鍵盤姫にはこういう試練が必要だとサディスティックにも考えました。一つのハードルを与えるか与えないかはこのメンバーの今後の技術向上に大きく関わってくることなので平坦な道を歩いてもらうよりもより自信をもってどんな曲にも挑戦できるファイトを持ってもらいたいと思い、あえて苦しい道を歩いてもらいました。

 

イントロからオンビートとオフビートが交錯してリズムの間(ま)が取りにくいといった難所がでてきます。ドラムとキーボードが丁々発止をみせます。聴き手もここでは沈黙し神経を耳に集中させる部分です。ミストーン(タッチ)はここでは致命傷になります。プレーヤーのプレッシャーはこの冒頭からいきなり頂点です。鍵盤姫は忙しいさなかもかなりの練習をしてこのプレッシャーに打ち勝つ努力をし続けたと思います。こんなハードルをどう越えるかにメンバーの関心が集まりました。

 

ギターのリフまがいの流れるようなフレーズは昔は相当難しいと感じたものですが、今のウチのギタリストの技術レベルでは単なる「手癖フレーズ」のように滑らかに演奏できます。ということはテクというよりテンポにうまく乗っていけるかの方が課題になるということでした。イントロが終わると2回のキーチェンジがありますが、そのチェンジは音程的に上の方向にシフトしていくので

人間の生理的にはテンポが段階的に速くなってしまうというハードルがあります。

これはリズムセクションを中心とした生理的テンポアップの抑制を演奏中にいかに意識して目立たないように微修正していくかということです。

 

加えてベースラインには実にたくさんのリーディング・ノート(導音:次の音に行きたいと感じさせる効果のある音程)が散りばめられていて曲進行の推進力となっていますがここでベーシストの僕は調子に乗ってしまいました。もうほとんどジャズの4ビートのラインをアドリブ的に弾いてしまったのです。テンポアップの要因をまた一つ増やしてしまいました。

 

やはり苦戦しました。が、テンポがだんだん浮き足立ってくるのを感じた時、幸いにも曲が終わりました。危ない危ない。曲がまだ続くような長いものだったらきっと最後にテンポは崩壊したでしょう。

 

この曲にはこうした魔物が住んでいます。

しかしながらパワフルにしかもリズミックにボーカルがうまいこと音楽に乗っていったので聴き手は全体的に上手くいったと感じてくれたのではないでしょうか?

 

キーボードの演奏力がさらに上のステップに行ったなと感じとても嬉しく思ったバンマスでした。

鍵盤姫、おつかれさん!   80点

 

#6 Little Wing   デレク&ドミノス バージョン

 

レイドバックサウンドという言い方は古くなったようですが、この曲はシェイズのレパートリーの中でも貴重なゆったりサウンドです。技術的にはなんの問題もありません。

このようなリラックスした雰囲気の音楽でステージを終わらせることの是非はハードロックバンドとしては考えるべきでしょうが、これは今回の出番が一番目ということに関係していました。

切り込み隊として会場の雰囲気を一気に熱っぽくしたかったので、本来最高に盛り上がる曲「BURN」をラストでなくオープニングにもっていったのです。そうして最後は温かく不要な力みのない曲で和やかに次のバンドさんにバトンタッチしたわけです。

ラストの曲でメンバーも気持ちの張りから開放されているので、落ち着いた演奏になったと思います。

今後はステージの状況によっては、この曲ではなくもっと派手でハードな曲で最後を締めるかもしれません。 無難な出来に 95点。

 

 

以上が今回のシェイズの演奏の総括です。

 

 

この後2番手として「ブギーチレン」さんが登場しました。

当夜でもっとも若い元気なバンドさんです。ストーンズ系のロックンロールを主体としたコピーとオリジナルを聞かせてくれました。見た目にもとてもステージを楽しんでいるといった感じが爽やかです。会場内がその軽快なノリに同化して楽しく変化したのを感じ取りました。

ツインテレキャスとフレットレスベースの音色面での違いを自分たちの「サウンド」にしているのがしたたかで頼もしいと思います。ボーカルさんやギターのお二人さんのキャラクターが好きです。

 

3番手は「ビハインド・ブルース」さん。シェイズとはお友達バンドの関係です。年齢的には10歳ほど下のみなさんですが、日頃からたくさんの音楽に接しているメンバーさんのこと、その選曲には多くの期待をもっていました。

ライブにも慣れているバンドさんですから、その演奏も非常に見通しのよいものです。三声のコーラスは前回共演した時に聞かせてくれたものよりさらにきれいでしたし、ドラムさんのテンポ・キープは奇跡的ですらありました。というのも、普通では絶対に速くなってしまうようなブリッジ後の戻りの部分が正確に前と同じテンポで再現されていたからです。(A B A という形式だとしたら最初のAと終りのAのテンポが正確に同じ、という意味です)

シンコペーションの処理も万全でしたね。破綻がなく淀みなく進行するのがこのバンドのいい点です。メインボーカルのはりけ~ん氏の明るいキャラクターがこのバンドのアメリカンな傾向とマッチして誰もが好印象を持つと思います。そしてみんなが「あの曲を」と騒ぐ曲を持っているバンドとしての自然発生的なしたたかさもこのバンドさんの強みですね。気分のよくなるサウンドでした。今後もシェイズは彼らと共演を続けます。(ライバルバンドですから!)

 

トリは「オールド・ハート・オブ・マイン」さん。

長い出番待ちはさぞ大変だった事でしょう。ステージで爆発するために徐々にテンションを上げていかなければならないので飲むのも考えながら、でしたよね。

でもそうした努力が実ったせいか、お客さんはその演奏をとても楽しんでいました。

大変落ち着いたステージなのに、熱気が爆発したのはすごかったです。

個人的に僕はベースさんの音が気に入りました。

 

 

 

今回のてきふら企画でもすばらしい出会いと再会がありました。

企画ライブ11回で共演したバンド仲間の「気狂ー屋 」バンマスのふう さん。同じく「シェリー・ママ」のYOKOバンマスやぎっちょんさん、チャーさんも応援に来ていただきました。

これってまるで同窓会ですね!(あともう一つの共演バンドさんがビハインド・ブルースさんです)

 

みなさんほんとうにご声援ありがとうございました。またいっしょにやりましょうね!

 

                                   (シェイズ バンマス)

 

 

  

   

 2005年10月9日 ライブ報告  赤坂グラフィティ ライブ  (SHERRY MAMA 主催) 

 

 てきふら企画ライブに続く今年第2弾のライブ出演は、8月の四谷ライブ(ロックバー:テキサスフラッド主催)でご一緒したバンド、シェリー・ママさんの主催する赤坂グラフィティでのステージでとなりました。

 最初にこのライブ出演を熱心にお誘い下さったシェリー・ママのメンバーのみなさん、そしてバンマスのようこさんに心からお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

 では、さっそく当日のレポートを。

 

 この日は3連休の中日、しょぼ降る秋雨のなか我々は正午にいつもの目黒のスタジオに集合しました。 バンドとしては毎日のように練習する事はできないので、本番当日には必ず準備運動的に音だしをして本番に臨むわけです。

セットリストにそって合計時間を計りながら細部の確認をしていきます。この時往々にして些細な事をミスしたりして「お~い、今日は本番だぜぃ、大丈夫か~?」となることもあり、気を抜けません。 と言っても、2時間の準備運動が終われば、いつもの小宴会です!

行き付けのチャイニーズで遅い昼ごはんとビールです。 ここでたっぷり練習の疲れを取ります。

外は相変わらずの雨模様。幸い霧雨程度なので、夜来てくれるお客さんたちにはそれほどやっかいな天候ではないと思われ、その点は少しほっとしていました。

 

 たっぷり休憩を入れていよいよ会場:赤坂グラフィティ入りです。ステージではPAさんらが調整をはじめていました。 先入りしていたシェリーママさんたちと雑談をしながらリハーサルとなりました。今回は「逆リハ」と言って、出演の逆順でのサウンドチェックです。

シェイズは出演4バンドのトップで演奏するので、最後にリハーサルをします。それが終われば楽器はそのままにしておけるので特にドラムスなど再セッティングの必要がないことは大変助かりました。

 リハでは本番で演奏しない曲を取り上げるのがシェイズのやり方なので今回セットリストから急遽外れたGヒューズの「CAN'T STOP THE FLOOD」でサウンドチェックをしました。

モニターの戻りがよく聞き取れなくてキーボード姫は困っていましたが、PAさんにそのことを善処して欲しいと要望を出したのみで無事終了でした。

 

 そうこうしているうちに開場時間となりました。 キャパ立ち見で140~50のこの会場ですがみるみるテーブルが埋まっていきます。みなさん時間どおりに続々とお見えです。

そして定刻17:30、我々はステージに立ったのでした。

 

 それでは、当日のセットリストにそってさらに話を進めていきましょう。

 

オープニング: FINGER  (前回演奏曲)

 前回の四谷ライブでは2曲目に入れたジョニー、ルイス&チャーの曲です。一応歌詞らしきものはありますが基本的にはインスト曲といった曲調です。ギターとベースが早いパッセージをユニゾンで弾いていきます。指慣らしにちょうどいいのでアタマにもってきました。原曲より意識的にテンポを速めています。 理由は同じようなフレーズの連続なのでまったり感が出てしまうのを嫌ったためです。またこの曲は会場の響きがデッドぎみだと音が寂しく聞こえるので、お客さんの入り具合で少し残響をPAの方でコントロールしてもらえると嬉しいです。

多少のバタバタ感は否めませんでしたが、この曲で無事ウォーミングアップ終了です。

 

2曲目: DOCTOR, DOCTOR (前回演奏曲)

 前回はラストにもってきたブギーの軽快な曲です。 1曲目の終りから休みなしに姫のピアノによるイントロが流れ、その上を哀愁のこもったギターが切々と歌い上げます。マイケル・シェンカーの手になるこの曲は泣きのギターと陽気なダンスが対照的に合体しています。そしてイントロでの哀感のこもったギターによるバラードもすぐ付点のリズムにとって代わられ、楽しく進行していきます。

ブギーのリズムは付点の躍動感がポイントですが同時にベースとドラム(特にキック:バスドラム)とのコンビネーションがうまくかみ合わないとさんざんな目に会う危険性をはらんでいます。

でもそこは長年いっしょにやってきたリズム隊なので大した破綻もなく音楽は流暢に流れていきました。 慣れたもんです! ラストの曲が「リトルウイング」に変更になったため、この位置で演奏しました。  これは’70年代初期のUFOの代表曲です。

 

3曲目: TOO ROLLING STONED  (前回演奏曲)

 前半のアップテンポと後半のテンポを落としたブルースの部分が対照的で特徴でもあるロビン・トロワーの曲です。演奏中はあまり気にとめなかったのですが、小節数を短くしてしまうミスを犯しています。でも慣れている曲なので見た目には何事もなかったように演奏は流れていきました。30年もやっている曲でこんな凡ミスが出るとは、楽しくなっちゃいました!

原曲はトリオでの演奏なのでシェイズは姫にリフを元にした通奏和音を弾かせ、ギターソロ中などにしばしば見られるトリオ特有のスカスカ感を極力排除しました。結果、トリオ編成の独特なグルーヴ感はなくなりましたがヴォーカルラインに対して地味ながらもカウンターメロディーが加わったシェイズ独自のサウンドになりました。 それにしてもスタートからテンポが相当速くなってしまい、ギターのワウペダルの踏み込みがさぞ忙しくて大変だったろうと同情してしまいました。

(テンポが速すぎる!って気付いてもすでに音楽が始まっているので修正は無理なんです)

 

4曲目: HIGHER PLACE (初登場曲)

 グレン・ヒューズが今は亡きツェッペリンのドラマー、ジョン・ボーナムを追悼して作った曲です。

ミドルテンポでダンサブルなんですがどこか「えもいわれぬ哀感」があってシェイズの今後の定番曲になりそうなすてきな曲です。ギターの相澤がベースの私と共にコーラスに加わります。雰囲気作りに気を使う難しい曲でした。ギターソロの部分に天に昇っていくような短いけど印象的なフレーズがありますが、ウチのギターちょっと気持ちだけが先に行ってしまったようで、ラインがもたってしまいました。おそらく瞬間的にブラックホールに入っちゃったんでしょう。ライブではよくある現象です。次回はこの部分でもっと私を泣かせてくれる事を期待しちゃいます!

 

5曲目: THE BOY CAN SING THE BLUES (初登場曲)

 同じくGヒューズの曲です。 リフがくねくねと絡まりながら進行するハード・ブルースです。

ツェッペリンの「BLACK DOG」を思わせる曲調で重いです。最近コピーした我々のレパートリーとしては新しい部類で、まだまだこなれていないなぁと思ってしまう出来でした。リフをギターとベースがユニゾンで力強く弾きます。ヴォーカルに力みが出てしまいましたが、新曲ということで力の入れ加減がまだ定まっていないためでしょう。でも今後の心配はおそらくないと思いました。

 

6曲目: MISTREATED (前回演奏曲)

 ディープ・パープルの名曲ですが、シェイズは複数のバンドのアレンジを参考にして演奏しています。絶叫タッチでスローな悲しい歌を歌います。今回ギターが一番の聞かせ所でポジション間違いをしちゃいます。あれ、変だな~と思ってるうちに何事もなかったかのように元に戻りましたが時すでに遅し!でした。私には笑えることでも本人はこれによって不完全燃焼のストレスになったことでしょう。聞いていた方にこの部分ばれちゃいましたかねぇ?

中間部で10%程度のテンポダウンをするのですが、今回はズシンと重く決められたので曲全体のメリハリが効いてきて良かったと思いました。

 ギターのイントロ部で会場の最前列に陣取ったバンド仲間の<はりけ~ん9631君>がテンポに合わせた絶妙な掛け声をかけてくれたのでステージ上の我々もとてもリラックスして演奏ができました。ああいう気の利いたサポートは本当にうれしいものです。彼は音楽をよく解かっていると感心しました。ありがとうね!

 

7曲目: LITTLE WING (久しぶり登場) (ジミ・ヘンドリックス、デレク&ザ・ドミノス)

 このところご無沙汰だったシェイズの定番曲が今回、土壇場で再登場しました。実に味わい深い名曲ですが、あまりに今までやりすぎたために倉庫で休んでいました。しかし演奏しているととても落ち着いてくるレパートリーなので、今回の再演は個人的にもすごく楽しみでした。

私事ですが、この曲のベースラインをライブ当日の仕上げ練習の時に長年弾きこんだラインから新しいものに変えてみました。それがけっこうツボにはまったようでノリとスイング感がかなりよくなりました。サイドボーカルを付ける時に歌メロとベースラインがわずかに交錯する部分があるんですが、それがかえってワイルド感がでる結果となり、今後は新旧両ラインをその時の気分で弾き分けようと思っています。(B型の性格そのまんまです)

 それにしてもこの曲を今回ラストにもってきたのは実に正解だったように思えます。気持ちが高揚しつつもリラックスした演奏をお届けできてとても満足感がありました。

 

 

 さてシェイズは次のライブに向けて手持ち曲の中からこれはと思えるものを掘り起こしながら、同時に新曲を開拓して、あらたなセットリストを構築していきます。候補曲はすでにいくつか出ていますが、今までにも増してパワーアップしたホットな選曲とステージになると思います。

 またセットリストに関しては主催者の意向やライブの性格によって「お祭り的」なものと「ある程度マニアックでもいい」ものとに大別して、その都度ステージの雰囲気を変化させていきたいと考えます。

 今回の赤坂ライブはシェリーママさんの底抜けに明るく開放的な雰囲気からちょっとはずれてしまったようなマニアックな曲を混ぜ込んでしまった点を反省し、次回またこの赤坂に呼ばれるようならばその時は思いっきり楽しく観客参加型のレパートリーも織り交ぜていきたいなぁと考えます。 

 

 ステージではシェイズの後、トリで主催者のシェリーママ登場まで2バンドが出演しました。

2番手はビートルズをやり、サイモン&ガーファンクルをやって、ベンチャーズをやるという少し落ち着かないステージでした。メンバーも入れ替わり立ち代りで一人一人の水準が高かっただけに私個人の印象は残念ながら「散漫だなぁ」 でした。

3番手はホーンがメインのデキシー系のジャズバンドでした。実に年季の入った堂々たるステージでした。アルトサックス奏者のフレーズがプロっぽくてきれいなラインがでてました。トロンボーンは楽しそうに演奏されてましたがピッチがちょっと甘く、ユニゾン時に違和感がありましたが会場内にはジャンルのガラリと変わった雰囲気にとろけるような気持ちのよさが流れていましたね。

 

 トリのシェリーママさんのライブ報告は彼ら自身のHPにコメントを入れた方のものがアップされていますので、そちらに譲りたいと思いますが、ステージングは実に楽しく堂々としていて安心して見ていられました。 それぞれホット&クールな二人のギターはお互いにバッティングすることもなくよく聞き合っていましたし、ドラムは安定感があり落ち着いておられるようでした。特にスネアの音の抜けがよくけっこうタイトなビートを繰り出していましたね。キーボードは前回の「乱れ弾き」が多少影をひそめましたが音と和音の響きがいっそうきれいになりました。ベースは前回同様マイペースを保ち、ドラムによくくっついていました。本番になるとついついアドリブ的に気分でラインを弾いてしまう私なんかに比べてバタバタ感がないのが彼女の強みです。ボーカルはステージを引っ張っていく大事な役目もあるので歌だけにのめりこむわけにはいかなかったでしょう? お子さんの乱入もありましたしね。 スローバラードにおけるリードヴォーカルさんの気持ちの入れ具合にはさすがに感動しました。サイドヴォーカルさんの声質がリードと同じベクトル上にあるようなので、ハモリがよく溶け込みます。それになんといってもこのヴォーカル陣の屈託のない陽気さが最高です。見ている者を一瞬現実から逃避させてくれるようなパワーで全曲を乗り切ってくれました。

主催者だからということではなく、バンドとしてのある意味完成度の高い引き締まったイメージは当夜の多くの観客を魅了したことと確信します。

 

 みなさん、本当にお疲れ様でした。 また今回8/21の同窓会のごとく客席で応援してくれた「びはぶる」さんと「気狂屋」さんの代表メンバーさん、熱心な応援、ありがとうございました。

あなたがたのライブにはシェイズ一同、気合を入れて伺いますその節はどうぞよろしく。

 

 以上です。お付き合い、ありがとうございました。  (シェイズ・バンマス)

 

         

 

 

  

   

 2005年8月21日 ライブ報告 てきふら企画ライブ第11回に出演 

 

待ちに待ったこの日がやっと来ました。 折りしも暑い夏の風がフェーンのように吹いて、ちょっと動けば冷たいビールがすぐ飲みたくなるという状況で、この長い一日どのようにアルコール配分をしたらいいのか長年ののん兵衛経験をもってしても高度なペース配分が必要でした。

 

なにしろ15時40分にはリハーサル(バンドの持ち時間)が終り、17時半会場、出番は21時という長丁場です。演奏を始める頃にはすっかり酩酊していた、なんて、いくらテキフラマスターが「元気な酔客バンド」ともちあげてくれても、そりゃないよ!とヒンシュクをかってもいけないし・・・トホホ、本番の演奏よりよほど難しい時間の過ごし方を余儀なくされたわけです。

 

ステージは以下のような進行でした。

 

18:00-18:30 気狂-屋

18:45-19:15 シェリーママ

19:30-20:00 チャーリー芝原

20:15-20:45 ★特別ゲスト  原 果里 (かりん)

21:00-21:30 SHADES

21:45-22:15 BEHIND BLUES

 

トップバッター、気狂-屋さんはチャーのカバーをメインに演奏されました。

このバンドはトリオです。(いいです!正統的スタイルです!) ギターさんがボーカルをとります。長いことトリオでやっているのでしょう。トーンやサウンドの選択が非常に的確です。とかく音と音との間に出来てしまうトリオ特有の「隙間」が大変少なく、そのためにサウンドが厚く終始ラウドでした。これはすばらしいことです。かのZZ TOPも音はスキスキです。彼らはあの特異なキャラクターでうまくケムに巻いてはいますが。

このバンドさんのセットの中に「やっぱり」というか「恐れていた」というか、シェイズの用意していた曲とかぶってしまう「フィンガー」がありました。イントロで「あ~マズイ!」とバンマスは絶叫しそうになりましたが、その時口に入っていたソケースの旨いカレーライスのせいで声を上げられませんでした。しかしこのバンドはチャーをやるバンドです。この選曲はある意味当然で正しい姿勢です。 メンバーさんの人柄も素敵でまた会いたい人たちでした。

 

シェリーママさんはジャニスの追っかけバンドです。編成も大きいだけに実にパワーがありましたね。ツインギターで曲によってその色合いが変化しています。ワンパターンの色彩でないということです。ジャニスを生では見ていませんが、おそらくこういう「色」をしていたんでしょう。リズム隊が大変確実にビートを作っていました。バックが安定してこそフロントが自在にそして情熱的に活躍できる見本ですね。それにしてもパワーがあってノリました。キーボードさんの乱れ弾き、かっこよかったですよ。あれは相当練習を重ねたのでしょうかね?酔っていたわけではないですよね? もう少し聴きたかったですね。ボーカル、とてもいい雰囲気でした。うまい!

 

さて、チャーリーさんとかりん姫。 お二人ともソロなので場内はしんみりと聴き入るって雰囲気になりました。歌詞の一言一言が胸の中にス~っと入り込み、悪い意味でなくここですっかりテンションが下がりました。カレーで噴出していた汗もすっかり退いて、店内が涼しくなったと感じたのは僕だけではないでしょう。静かに青白く燃えるスピリットが妙に印象に残っています。

ウチのボーカルも入り口付近で出番前のテンション調整を行っていましたが、おそらく彼の心の半分は、あの二人のそれぞれの歌によって平安を与えられ、あとの半分は「よ~し燃えるゾ!」と気合を入れるきっかけとなったと思います。

 

さて、シェイズの出番です。注目のセットリストは以下のようなものでした。

 

1.Can't Stop The Flood  グレン・ヒューズ

2.Finger            ジョニー、ルイス&チャー

3.Too Rolling Stoned    ロビン・トロワー

4.Ain't Got You       ゲーリー・ムーア

5.Mistreated         Dパープル 他を参考

6.Doctor, Doctor       UFO マイケル・シェンカー

 

今回シェイズは1曲目が重要なポイントになる、との考えから当初一曲目だった「フィンガー」を下げ、当夜のために用意したGヒューズの「キャントストップザフラッド」をもってきました。これにはいろいろな理由があるのですが、この曲の持つ重いグルーヴ感を出すにはステージ後半では心臓のパルスが上がりすぎてしまいテンポその他がそれにつられて不安定になる可能性があると判断したためです。それに、これはテキフラマスターに演奏を捧げる曲だということから、彼を一気に驚かすコケオドシが冒頭から必要だったからです。

しかし人を驚かせようなんて考えると自然に予期していなかった「力み」がでるものですね。

迫力はあったと思いますが、もっとクールに熱く(?)やればよかったなぁと反省。ミス、多少。

今後もシェイズはこの曲を大切に演奏していきたいと思っています。

シェイズが特定の人に演奏を捧げるのは初めてでした。

 

「フィンガー」は本来オープニング向きの曲調です。トリオ編成が似合う音楽です。ギターとベースが終始ユニゾンで動きます。ノリを大切に、走ることなくバタバタしないで演奏するのがコツです。出来は?あんなもんでしょう。

 

「トゥーローリングストーンド」 今回のために復活させた曲です。約30年前にもさんざんやってましたが、テクニック的に当時困難だった部分などが今では難なくプレイできるので、嬉しかったです。前半のノリのいいアップテンポから一転してキーが半音上がってからのブルージーな雰囲気がヘビーブルース・バンドとしてのシェイズをアピールできたと思います。

 

「エイント・ガッチュー」はみんなのステージ上のハイテンションをちょっと冷却する意味合いで真ん中に挟みました。 ゆったりしたブルースですが所々にあるブレークポイントをチャーミングに決めることが命題でした。技術的にはなんの問題も無く、こういった曲を入れることによって演奏するほうはリラックスすることができるのです。ボーカルの雰囲気はゲーリー・ムーアっぽかったでしょ?

 

一曲目とともに重要なポイント稼ぎの「ミストリーテッド」、これはなかなかうまくいったと思います。劇的でダイナミクスに変化のある曲ですが、聞き手にもその特色が伝わっていることがプレイしていても分かりました。最後の曲はブギーですから聞かせどころはその前のこの曲でしっかりと、という思いがあったのでみんなが慎重に音出ししたと思います。

ボーカルが全体を引っぱっていくように歌う事で、曲中のいくつかの仕掛けがかっこよく決まっていきます。要はアイコンタクト。バンドが一丸となって山を作り谷を作っていくのです。

 

狭いステージの上、メンバーが至近距離にいます。よく表情を見ると意外にみんなリラックスしているようでした。最初の曲を終わらせた頃にはもうすでに安堵の雰囲気さえ感じられました。

ギターの相澤をふと見たら滝のような汗を顔からしたたらせていて熱演しています。それを見たらもう僕などは一気にこれぞバンドの一体感!みたいなオーラに取りつかれてしまい、なぜかプレイの最中にもかかわらず熱いものが込み上がってきたのでした。

 

さぁそしてラスト「ドクター・ドクター」は軽いブギーナンバーです。ステージは明るく終わりましょう。これ鉄則のような気がします。鍵盤姫のピアノイントロに続いて、マイケル・シェンカーを崇拝するウチのギターはまず「泣き」を奏でます。日本人の琴線に触れるようなマイナーフレーズでちょっとしんみりと。でもこの曲は元来おバカな曲ですからそんな哀愁も感傷もすぐにぶっ飛んでしまいます。付点のリズムが新鮮だったでしょう? もうあとはいけいけ!で・・・。最後がピタっと決まるかなんてすでにみんな忘れています。ステージもこれにて一件落着かと誰もが思い始めた最後の瞬間、今までのリズムを遮断するかのようなコーダが自然に流れ出ていました。練習で指が覚えていたのです。

 

いい汗をかかせてもらいました。

 

 

当夜のトリを飾ったのはビハインド・ブルースさん。まずこのバンド名がなにやらかっこいいですね!ツインギター、Bs&Vo、ドラムスの編成です。いろんな音が出てきそう!が最初の印象。

メンバーさんたちはどうか分かりませんが、僕らが見た感じでは大変落ち着いていてステージにも慣れているという表情でした。とにかく難しい曲をさら~っとこなしていきます。アレンジも自分たちのサウンドというものがすでに確立しているようで違和感がなく演奏全体に統一感がありました。これはライブ経験が豊富なバンドさんの特徴です。

ステージ終盤は・・・で、出ました!カンサス。 それもイントロから難しいコーラスワークが要求される「Carry on ~」。 超名曲です。変化のあるリズムに特徴があります。

始まりました。いきなりきれいにハモっているじゃないですか。強敵です! どこかで乱れるかなと思いきや、そつなく流していく様子を見て聞いて、この曲に対するビハブルさんのこだわりと愛情をいやがおうにも感じてしまいました。

終演後、少しですがお話をしました。このバンドさんは演奏もいいけど、人柄もとてもいいので好感度抜群でした。また聞かせてくださいね。

 

そして当夜のスペシャル・セッション。当夜は出演者数が多かったのでリポートを書くこちらも大変です。記憶を頼りに順を追って書いてきましたが、いよいよ最後の出演者になりました。

 

今はシェイズの準メンバー、元 四人囃子の作詞家、ブルースハープ・プレーヤーでシンガー、

コピー・ライター、 実にたくさんの肩書きを持つ 末松 康生さんの登場です。

 

時間もあまりなくなってきたので、スローブルースを一曲セッションということで。

ドラムスはテキフラ・関根マスター、ギター&ベースはシェイズから。そしてハプニング的に出演決定した末松さんの娘さん 末松 九里 さんのピアノでスタートです。末松おとーさんはおめかししています。渋い歌いまわしの楽しげなブルースが場内に響くと、もう後は一同の視線はステージに釘付けとなりました。「お~い、お前も歌え」とお父上に呼ばれたのは娘さん。おっと、いきなりシャウトしてます。パワーがあります。味もあります。雰囲気がとても”それらしい”です。

マスターのドラムは演奏の流れをじっと注視して力まずに臨機応変に叩き分けています。

さすが長年、こういう音楽をを聴いてきているだけあって、でしゃばらず、かといって引っ込まずの変化がうまい「技あり」のプレーヤーでしたね。

 

さて、図らずも父娘共演でホットに盛り上がった当夜、てきふら企画第11弾もこれにてお開きとなりました。

出演者はもとより、お客さん、会場のスタッフさん、主催のマスターの全員が終始気持ち良く音楽を楽しめたことにこの日の最大の収穫があったと確信します。

楽しい時間でした。そしてこの長い一日は時計が夜11時を回った頃に終わったのでした。

 

みなさん、また会えるといいですね。 お疲れさまでした。

 

 

 

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