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SHADES LIVE REPORTS 2007-2009

 

2009年 10月11日  ライブ報告   恒例・秋のライブ at 江古田バディ 

 

今年もあっという間に「江古田ライブ」の日が来て、そしてあっという間に終わってしまった。

すっかり恒例となった秋のライブ。

数年来いっしょに演奏を楽しむ、おなじみになった共演バンドさんたちとのライブは楽しい。

 

そして楽しいことはすぐ終わる。 それが世の常。

 

 

シェイズがこの「秋のライブ」の主催者シェリーママのようこさんと出会ったのが2005年の8月。

ロックバー「テキサス・フラッド」の定例ライブでの初共演でのことだ。

以来意気投合して、彼女と彼女のバンドが1年に一回秋に主催するライブに招待されているのだ。

 

2005年の秋から2007年秋までの3回を赤坂グラフィティで行い、去年から江古田バディというハコに場所を移して2回目ということになる。

シェイズは秋のこのライブに招待されることを非常に光栄に思う。共演バンドさんたちの力で集客もけっこうあるし、何よりも余計な緊張をしなくていいというバックステージの雰囲気がすばらしい。

 

このライブは過去にも書いているようにお祭り的な解放感がある。

シェイズはこと演奏や選曲に関してはストイックなところがあって、あまり協調性があるとは言い難い。

ライブにおける演奏曲目(セットリストという)も他の共演者さんたちを意識することはない。

お祭りであろうがコンテストであろうが自分たちの好きな音楽だけをやる。こういう姿勢で今まで来た。

 

それでもなお、この秋のライブの選曲は例年苦労する。客層を知ってるし、共演者さんたちがどのようにお祭りを楽しむかが分かるからだ。

せっかく毎回招待していただくのに我々だけあまり愛想のないステージはどんなものか?と思ってしまうのだ。

 

去年も今年もそれぞれ1曲だけシェイズの路線とはちょっと違う曲をセットリストに入れた。

結果(効果)については後日の客観的な感想を待ちたいが、バンマスの僕としては、やはり自分たちにフィットした曲だけを選ぶ方がいいのではないかと思っている。

ステージ上の愛想は今後の重要課題として取り組んでいきたいが、せっかくポピュラーな曲をやっても、プレイバックを聞く限り、何ともいえない微妙なぎこちなさを感じてしまったのは正直なところだ。

 

シェイズは不器用である。音楽を、演奏を心から楽しんでいるのに、その気持ちが外見・表情に出てこない。常に重く慎重な歩みである。

 

こんなバンドに好意を持って接してくれている主催のようこさんやご主人のきよさんの懐の大きさに感謝したい。

 

 

 

さて、このライブレポ、書くまでに時間が経ってしまった。

理由はライブが終わった直後の高揚感で一気に書きたくなかったからである。

今回僕はステージの模様を撮影した映像(音声)を冷静にしっかりと見た上で、この記録を書きたいと思った。

 

今から感じたことを素直に書くが、はたから見ればそこそこのステージだったろう。しかし今回はバンマスとしては反省点も多かった。

 

1. 一番引っかかったのは、ステージでの機材トラブルだ。ウチのバンドは毎回のようにMCで時間稼ぎをしなければならない機材トラブルが起こる。

もちろん不可抗力もあるのだが、これほどステージでの良い緊張感を途切れさせるものはない。

綿密に進行を考えて曲目を並べても、その効果はほぼ水の泡と化す。

今回の大きなブレークはドラムスのハードウェアに起因したものだったが、バスドラムが前方にずれていって、ペダルのメカが不調になるなんて、ちょっと想定外の出来事だった。

 

しかし他のバンドさんにはそういう緊張感の途切れは無かったように思う。

なぜだかシェイズにはちょくちょくこういったトラブルが起こる。

繰り返すが必ずしも自分たちの責任で起こるとは限らないのである程度は仕方がないと思うが、いつかきっとノン・トラブルで緊張感の持続したステージを披露したい。

 

2. 全曲を通して適正なテンポで演奏されていない。どれも不安定に走っている。ステージではままあることだが、けっして格好良くない。これはリズム隊二人の責任だ。

パワフル&ヘヴィーを標榜するシェイズのサウンドはもっと重心の座った安定感のあるものでなければならない。今後はメトロノームやリズムマシンを使って、いつでもどこでも適正なテンポを発振していきたい。

 

3. 各曲の細かな出来については細かく指摘すること自体わずらわしいのでここでは省略するが、おおむねそつなく演奏できたと思う。

選曲された曲のほとんどは(例外もあるが)難曲だったためにテクニックもさることながら、その曲の持つ独特のフィーリングの再現に苦労した。

しかしその苦労の大半は報われたと思う。

 

 

 

 

以上がおおざっぱな総括だが、芸術点・技術点・お客へのアピール度を総合して今回のステージは辛口に100点満点の50点としたい。

まだまだだ。

今後一層自分たちの血液のように自然に流れる自分たちに合った音楽を選んで精進していきたいと思った。   (以上はバンマスの個人的な見解である)

 

 

おしまいにセットリストを公開しておこう。

 

2009 江古田ライブ セットリスト

 

1. YOU UPSET ME BABY  (BONAMASSA ARRANNGE)

2. CAN'T STOP THE FLOOD  (GLENN HUGHES)

3. MAKE UP  (FLOWER TRAVELIN' BAND)

4. BURN  (DEEP PURPLE / WHITE SNAKE ARRANGE)

5. SLOE GIN  (JOE BONAMASSA)

6. A NEWDAY YESTERDAY  (JETHRO TULL / BONAMASSA ARRANGE)

7. YOU GIVE LOVE A BAD NAME  (BON JOVI)

8. ROCK BOTTOM  (UFO / MSG ARRANGE)

 

 

 

  

   

 2009年 5月16日  ライブ報告   春のライブ at 新中野 ROYS CLUB 

 

ウチのボーカルがひょんなことから知り合ったMr.ゲンゴ氏・・・なんでも同郷で歳も近くすぐ打ち解けたというこの方の尽力で今回のライブに参加することになった。

彼は今回のライブに出演する4組のバンドのうちの主催バンド「火の玉ボーイズ」のリーダーでもあり、その快活で明るい性格と人なつっこく面倒見の良いキャラで、シェイズをも盛りたててくれた。

ここでまずそれに深く感謝したい。

 

さて新緑の季節のライブということだったが当日は曇り空で今にも泣き出しそうな天気になったが、会場はリハーサルから熱気がムンムンという感じで、一番遅くに現場に集合した我々は到着後すぐに音出しチェックをさせてもらった。

なにしろ今回は開演時間が早い。開場15時、開演16時だ。

これは主催者が終演後、多くの人たちと打ち上げパーティーをゆっくりとしたい、という計画だったからだ。

 

今回の共演者さんたちとは初対面であった。

我々は出番までの待ち時間を短縮し、ゆっくりと他のバンドを鑑賞したいと願って出番を一番にしてもらった。

だから16時の演奏スタートである。

 

会場、ロイスクラブはもちろん初めての場所だったが、会場のマネージャーさんは過去に何度かお世話になっている方だったので、もちろんきめ細かく面倒を見ていただいた。さらに今回この方はPAも担当していただいたので、爆音隊の我々としては気持ちの上でもリラックスできた。

というのも、この会場でシェイズが爆音を出して大丈夫かと事前に心配していたからだ。

でも結果的に大した問題もなく、演奏に集中できるような環境を与えてもらった。

マネージャーのブチさん、ありがとうございました。

 

さて恒例のセットリストの公開だが、今回はサウンド傾向が全く異なる4バンドの共演ということもあって、我々だけ少し本気でうるさくなりすぎたようだった。今までで最も重量級のラインナップとなったはずだが、ハード系の共演者ならともかく今回はちょっと我々だけが浮いてしまったような気がした。

オープニングとエンディングにハイパワーの曲を置き、ちょうどサンドイッチのように変化のある曲を挟んだ。日本語の曲と日本のロックも入れ、さらにブルース系の曲も詰め込んだ。

いわゆるマニアックな選曲になった。

 

他のバンドさんが徹底したエンターテインメント性を発揮していたのに比べ、シェイズにはシャレが無かったということだ。 ちょっとストイックで娯楽性のない曲ばかりで、それが何となく今回の場に合っていたのかいなかったのか・・・微妙な反省を伴ったことは正直認めざるを得ない。

 

演奏時間約50分。

長い曲が多いので曲数は少ない。短めの曲をたくさんぶち込んだほうがお客には受け入れやすいかどうかという問題は今後の検討課題となろう。

 

 

 

2009年5月16日 新中野・ROYS CLUB セットリスト

 

1. Burn

2. Make Up

3. isshoku-sokuhatsu

4. Lazy

5. Cradle Rock

6. You Upset Me Baby

7. Rock Bottom

 

8. ?

 

#1はもうおなじみ「シェイズ風バーン」である。ドラマーには過酷なパワープレイを強いる曲を1曲目からもってきた。ヴォーカルが足もとのケーブルの整理をしていて歌を入れるのを忘れてしまった。なので一瞬「カラオケ・バーン」になった。(笑)

どなたかシェイズのバーンを歌ってみたい方は、こんどボーカル・レス・バージョンを提供しようか!

 

#2は日本のフラワーTバンドの有名曲。束の間のらくちん曲だ。といってもキーボード姫は緊張感が続いている。

 

#3はもうおなじみのレパートリーになった感のある長大な日本語のロック。

変化が多く、パワーも必要だ。どのパートも十分なパワーを確保していなくては終わりにまで到達できない。バーンの後にこの曲がラインナップされると、ドラマーにはかなり過酷だ。バンマスはそれがよく分かっているがいつも知らんぷりしている。申し訳ない!

 

#4は標準的セットリストには必ず載せている長年のレパートリー。けっこう難曲なんだけれども、聴く人にはそれを感じさせないほどメンバーはこの各パートそれぞれを自分のモノにしているという感じになっている。しつこいが本当に難曲なのだ!

 

#5はロリー・ギャラガーの原曲でジョン・ボナマッサのバンド・バージョンによった。シェイズでは過去あまり聞かれなかったスライド(ギター)プレイが挿入されている。ファンク風なアレンジとなったが、原曲に比べ相当パワフルなバージョンで、やっていて充実感がある。しかし一般的に受け入れられやすい曲かどうかは???だけど。

 

 

#6はミディアム・テンポのブルース。途中お決まりのようにギターだけが他を抑えて弾きまくる場所がある。そこでのウチのギターのブルージーさは圧巻だった。僕はベースを付けていて思わず感動してしまった。だって練習中には聞かれなかった、隠しネタのようだったから。

 

#7は定番のエンディングにふさわしい曲だ。少し前まではこの位置に「バーン」がいたが、今となってはこのシェンカーの名曲がラストには一番しっくりいくようだ。

曲中、テンポが変化する。アタマとオケツのテンポはアップテンポなのでお客さんに手拍子を要請したりする、が途中テンポが落ちるのでそれまで手拍子してくれていたお客さんが拍子抜けしてその手が所在なくなってしまう。演奏していていつもそれに申し訳ないな、と思ってしまう。

 

#8(!)は今回幻の曲となった。#7を終えた時、お客がみんな口をあんぐり!としてしまったからだ。

みんなあきれていたのか、感動したのか、爆音終了でほっとしたのか・・・それは分からないが・・・ともかくここで司会者がステージマイクを握ってしまったので、こちらはアレレ!という感じでステージを終了させた。アンコール無しっていうのは珍しい。

 

 

2番手「爆音頭」のエキセントリックというかアヴァンギャルドというか、その場のひらめきを重視した即興的スタイルは非常に面白く興味深かったし4番手の「火の玉ボーイズ」の徹底したエンターテイナーぶりには心底楽しめた。

この2つのバンドはシェイズに無いものをたくさん持っていて・・・多くは、人を笑わせるというか楽しませるという特徴・・・勉強になった。

 

4バンドの共演という形で会場は盛り上がったが、1バンドだけ人の演奏中に会場を抜け出したようだ。

いくら声高々に「愛だの恋だの」の歌を歌っても基本的マナーの欠如したパーソナリティーには落胆したし、その音楽性云々などをコメントする気にもなれない。

 

やっぱりみんなで最後まで楽しむという気持ちと連帯感を持たなければだめだ。

最後に(やっぱり)辛口になってしまったが、我々シェイズは共演者をいつでも大切にし、人間同士の最低のマナーだけはしっかりと持ち続けていきたいと思っている。

 

共演者の中にははるばる北九州から、新潟から・・・という方もいて心から音楽を楽しんでいるその姿を見させてもらって、ありがとう・ご苦労様でしたと言いたい。

 

最後になるが、このライブの段取りを一手にしてくれたMr.ゲンゴ氏、裏方もやってくださった火の玉のメンバー諸氏、そして会場のブチさんこと岩淵氏に深く感謝したい。

 

 

  

   

 2009年 1月17日  ライブ報告   新年最初のライブ at 町田パパロック 

 

まずは今回の町田ライブが実現したいきさつを書いておきましょう。

 

昨年の4月26日、我々はこの日の2日前に日頃からお世話になっているライブハウスのブッキング・マネージャーさんから突然の出演依頼を受け、当日の目黒での定期練習を途中で切り上げて、西荻窪にある「Oyaji-Rock」に駆けつけ、ステージ上で演奏曲目を決めながらのパフォーマンスをしたんです。

その時に客席でじっと聴き入ってくれたある方が、ステージ終了後に我々に声をかけてくれました。その方こそが今回出演したライブ・シリーズ「懐かしのロック」の主催者さんで、この時に出演依頼をお受けしたのでした。

 

 

1月17日(土)に町田:パパロックで行われた第11回「懐かしのロック」に4バンド出演の4番手で演奏をした今回は今年の最初のライブとなりました。

この日のための事前練習は一回のみ。セットリストは昨年11月にバディでの曲を流用しつつ、やりなれた曲を数曲入れたものになりました。

 

今までシェイズが出演した大方のライブはハードロック系のものでしたので、ベンチャーズ・バンド以外の共演はちょっと興味津々でした。と同時に爆音隊であるシェイズがステージで浮いてしまわないかという一抹の不安も抱えていました。

 

1番手の懐し系(GS系?)のオリジナル・ソングを大切に歌い演奏しきったバンドさんに続いて、これぞオヤジバンドといった感じのベンチャーズのコピー・バンドさんで会場は和気あいあいとした雰囲気に包まれていました。

そして3番手に登場した女性だけのビートルズ・コピーバンド「オーシャンチャイルド」さんが登場するに至って、そのパフォーマンスへの期待は熱気と共に高まっていきました。

 

お揃いの衣装で登場した彼女らは笑顔の素敵なとてもかわいい感じの女性たちでした。しかし演奏が始まると、うん?これはかなりマジだ! と感じ始めました。僕は無論、ビートルズをリアルタイムで知っている世代ですので、今自分では演奏はしないものの、かなりつっこんで曲を理解しています。また、自分のパートがベースなものですから、まずはポールのあの独特なベース・ラインをどう再現するか、なんて気になってしまうのでした。

失礼ながら一言で<彼女>のベースを表現すると、全曲にわたって大きな破綻も無く、慎重で細かく、オリジナルのフレージングやノリみたいなものを再現しようと一生懸命練習してきたことが見事に人前で開花していたという印象です。しかも音価(音符の長さ)がそれぞれ別々な歌とベースをよく分離して演奏していました。いやぁ、参りました。あっぱれ、あっぱれ!

 

当然ながら会場は拍手喝采、雨あられ! 僕は久々ビートルズ・コピーバンドで感動させてもらいましたよ。

 

彼女らのステージが熱狂のうちに終わると、何とした事か、お客さんがポツポツと帰り始めるではないですか。えっ! うそ~、って感じでちょっと増えた空席を横目で見ながらセッティングを開始。この状況下で今までの3バンドとは違う爆音隊、いやパワー・ロックの真髄を聞いてもらわなきゃ、と俄然気合が入りました。

メンバーの表情はさすがにステージ数を踏んできているだけにひょうひょうとしたもので、もくもくと準備をしています。僕はベースのシールドをアンプに差し込むだけなので、演奏開始直前まで一人客席にズルズルと座り続け、全身でオーシャンさんたちへの冷めやらぬ熱狂を浴びていました。

 

 

さてセットリストですが、サウンド傾向の違うバンドさんたちの後には、あまりパワー全開のオープニング・ナンバーは???とのメンバーの意見を尊重して、それとなく耳に優しくしかもぐっとくるような曲を持ってきました。

それが#1、「リトルウイング」です。超有名曲なので今さら説明は不要でしょうが、この曲をオープニングに持ってきた今回の作戦が見事成功したと確信するのに時間はかかりませんでした。

音楽がスタートしてわずか数十秒程度で会場の全ての人がシェイズに注目してくれたのが分かりました。

後は長い曲を中心に緩急取り混ぜた全6曲というスタイルで最後の最後までパワー・ロックの小気味よさをお客さんの全身に浴びせかけました。

45分という持ち時間が過ぎたのですが、アンコールを頂いたので、事前に練習はしていなかった曲を最後にノリノリでやりました。

 

シェイズにとっては定番の「レイジー」を前回ライブでやったちょっとマニアックな曲と入れ替えたりして、一応は今回のライブの特性にも配慮したつもりです。

 

また予想外と言っては会場に失礼でしょうが、ギター用のマーシャルの状態がとてもよくて、ウチのギターはやり易かったそうです。またドラムのタム類の響きも柔らかなのに芯があって良かったように感じました。僕は今回、ロックベースとはこんなんだー、というところを聞いてもらいたくて、いつものジャズベースを使わずに図太い音の出るプレシジョンを使いました。

終演後見知らぬお客さんから「久しぶりにロックベースの豪快さを楽しめました」と言われ<我が意を得たり!>とうれしい気分にもさせてもらいました。

 

シェイズ全体の出来に関しては大したトラブルもなく、まずは上々の出来だったと思います。

(ただし後日、録音を聞いたりするとこの感想は吹き飛ぶ可能性もありますが・・・)

 

僕らにとって町田は遠い町。演奏終了後は出演者さんたちや主催者さんとのリラックスした懇親の時間も取れずにあたふたと帰路につかなければならなかったことが唯一悔やまれました。

 

最後になりましたが、共演バンドのみなさん、主催幹事の三浦さん、大変お世話になりました。

 

 

 

2009年1月17日 町田パパロック セットリスト

 

1.リトルウイング

2.一触即発

3.別れの朝

4.ボーン・トゥ・ビー・ワイルド

5.レイジー

6.ロック・ボトム

 

アンコール

  ドクター・ドクター

 

                           以上 

 

  

   

 2008年 11月23日  ライブ報告   恒例・秋のライブ at 江古田バディ 

 

毎回、ライブをやった後には必ずここでライブ報告を書いています。

 

近年はそのライブでの裏話や個人的感想・思いなどをバンマス・ブログに書き込み、ここシェイズのウェブページ「シェイズ・ライブリポート」にはセットリストや音楽的なことを書くようにしています。

 

さて、「秋のライブ」はもうお馴染みになりましたが、去年までの会場「赤坂グラフィティ」から、さらに広い会場を求めて、多少ローカルな街ではありますが西武池袋線「江古田」の駅前にあるライブハウス「BUDDY バディ」へと引越しをしての第1弾となりました。

 

シェイズのボーカルはこの地に仕事を持っていて馴染み深いし、バンマスの僕も家から5Kmくらいで土地感もあり、他のメンバーにしても学生街で居酒屋も食堂もわんさかとあるこの場所に違和感を持たなかったはずで、精神的にはとてもリラックスして今回のライブに臨めたようです。

 

とにかく今回特筆すべきはメンバーがみんなステージでの演奏(発表会かな?)をワクワクしながら待っていたということでしょうか。

それなので楽しみが緊張感を大きく上回り、終始力みのない演奏を披露できたと思います。

 

 

出演は恒例になった4バンド。

 

シェイズはトップバッターで、2番手がルッコさん率いる「チープ・スリルズ」、3番手がおなじみ「オールド・キッズ」、そしてトリはいつも主催者として裏でもご苦労をされているYOKOさん率いる「シェリー・ママ」というラインナップでした。

 

「チープ・スリルズ」はなんといってもリード・ヴォーカルのルッコさんの熱唱と楽しいMC、ノリのよいよくこなれた演奏と構成で、いつもウ~ンと感心させられていますが、今回はそれに加えてちょっとしたサプライズ曲(ツェッペリンのホール・ロッタ・ラヴ)も用意されていて、とてもよかったでした。新加入のベースさんもちょっとファンキーでソウル色のある味わいをバンドに吹き込んで、存在感がありました。ベースってパートはバンドの屋台骨として、一見地味かもしれないですが、その全体の印象を大きく左右するものなのです。

 

「オールド・キッズ」はもう音楽をやっていれば極楽極楽!といったメンバーさんたちの顔を見れば、何も偉そうにコメントする必要はないようです。

インストのベンチャーズに始まって、頃合を見ながら軽快なビートルズの曲に変わっていくこの流れには、お客の多くが自然に身体を揺すり、手拍子をしてしまうという彼らのマジック的手法が効を奏していました。いつも元気なバンドさんです。

 

「シェリー・ママ」は今回も14~5曲にも及ぶ大きなセットリストを用意してきましたが、何と言っても驚いたのがその中に5曲ものGFR作品があったことです。しかも連続してそれらを並べたという思いっきりのよさには、何か参考になるものがありました。

それにこのバンドもサプライズ曲として「レーナード・スキナード」の作品をもってきました。

ギターが2本いるバンドさんですのでこの曲のキモである連続したリフを重めに決めて、それがかっこよかったです。ベースもドラムも重心の低い落ち着いたプレイで全体を引っぱりました。

ボーカルのYOKOさんは風邪っぽい声でしたが、どうしてどうして相変らずのパワフル・ヴォイスでバンドを見事に束ねていました。彼女はソウルフルな人なのでこれからも人を熱くするようなヴォーカルを聞かせてもらいたいです。

また、キーボードのセンスはちょっと聞いただけでは音量の点でも聞きにくかったかもしれないのですが、なかなかのものです。ハモンドの音も暖かいし、相当たくさんのいい音楽を聴いているだろう事が分かるピカっと光るような演奏でした。僕はそれを間近で確かめようと彼(ぎっちょんさん)の脇でしっかりと聞かせてもらいました。もっと前面で目立ってもいいキーボード・ワークでした。

お決まりのジャニス作品はもうお手のものといった感じですばらしく感動的な演奏だったし、最後にGFRの「アメリカン・バンド」を演奏した時は、ほんとお疲れさま!とその健闘を大いに称えたいとすら思いました。さてこのバンドさんのこれからはいったいどういう風に変化・変身していくのでしょうか? お付き合いする楽しみが倍増しますね!

 

 

さて、最後に我々のリポートです。

 

さっきも書いたようにトップバッター(切り込み隊)として、まだ熱していない客席を前にして、多少こわばった気分でステージに立ちました。

最初というのは時として非常にやりにくいものなのですが、終われば後はお祭り騒ぎができるし、落ち着いて対バンさんたちを鑑賞できるというメリットも捨てがたいので、いつもできればトップで出たいな、とすら思っています。

 

今回は全部で7曲という見た目は緊縮型セットリストですが、演奏時間で言うと50分超のなかなか重い構成でもありました。

長い曲が3曲ほどあり、その間に軽めのサービス曲とサプライズ曲を挟み込みました。

 

1.ドクタードクター

2.レット・イット・ロール

3.クレージー・ダイヤモンド

4.一触即発

5.別れの朝

6.ボーン・トゥ・ビー・ワイルド

7.ロック・ボトム 

 

ミディアム・シャッフルの#1と緩急双方の#2をつなげて、まだ熱しきれない会場にノリを吹き込む作戦からのスタートでした。

シェイズはノリと共に哀愁メロディーを重要な持ち味として大切にしているので、#2の中間部に出てくるスローテンポでの泣きのポイントはしっかり押さえました。

少し会場がロックの洗礼を受けて熱くなってきたところで、シェイズは冷やします!

 

#3は再演ですが、ウチのブルージーな一面をお見せするため、あえて表面的で画一的なブルース曲をやらずに、この曲のように屈折したブルースを選びました。

 

#4は今回の目玉曲です。70年代の日本のプログレ・バンド「四人囃子」の代表作ですね。

当夜はこの四人囃子の第5のメンバーといわれるこの曲の作詞家・末松氏が応援に来てくださり、その熱心な鑑賞眼に応えるためにも、ぐっと気合を入れました。

構成とテンポが非常に入り組んでいて、ちょっとハズせば空中分解、それこそ一触即発な作品で、リズム隊の腕の見せ所でもありました。ウチのドラマーが最も楽しみにしていた曲です。

僕らはこの曲が発表された当時から熱心にコピーをしていましたが、30数年を経て、このたび人前で久しぶりに披露させてもらいました。

ほぼ問題の無い出来になったと思います。

 

おっと、ここでステージ上のギタリストに魔物降臨。

ギターの音が断続し始めて、バンド全員が色めき立ったのです。

その間、数分、ボーカルの事前の勉強の成果がフルに出たMCで時間稼ぎ。と言っても、あれは単なるおしゃべりじゃなく、大したウンチクでした。いや~、立派だったです。

事後、シールドの一部に不安定な接触不良が見つかったとのこと。

機材をケチっちゃいけませんね。 これ今回の教訓。

 

さて#5はサプライズ曲。

普段からお祭り的なサービス精神が不足がちのシェイズのセットリストですが、この曲の登場には驚かれた方も多かったでしょう。ピアノのイントロに続く重いギターとバックの付点リズムに、いったいどんな曲が始まるのかと身を乗り出されたお客さんも多かったと後で聞きました。

それが「ペドロ&カプリシャス」のヒット曲だと分かって行く過程が新鮮な驚きでしたね。

意外にも(本当は期待通りに)受けたのがうれしかったです。

 

#6はサービス曲。

驚きとか意外性とかではなく、完全にサービスの1曲です。みなさんのほとんどが知っている超有名曲。

あくまで超有名なのであって、超名曲ではありませんが、ノリのいい曲で会場の気分転換を図りました。簡単すぎて意外に練習では手こずった曲でした。

 

ラストの#7はシェイズの新しいエンディング曲です。

長いことDPの「バーン」をやってきましたが、それと並んで今後の定番曲となるMSGの名作です。

とにかく最後まで気を抜かず、ハードにメロウに攻めまくって、華々しく終わりたいという一念がこもった演奏になっていたはずです。

バーンに比べてストレートに進行するので、最後にやる曲としては最適だとも思えます。

ギターはずっと弾きまくりなんで、大変だと思いますが、本人が好きな曲なので文句を言ったことがありません!

これも気持ちよく終わらせる事ができました。

 

今回のライブではちょっとした機材のトラブルがあったものの、全体的には構成・演奏のミスもほとんど無く、疾風怒濤のステージだったと思います。

 

次回のライブは新年1月17日、町田のライブハウスで、ベンチャーズ・バンドや女性のビートルズ・バンドなどに混じって、ラストステージ(トリ)で盛り上がる予定です。

ちょっと遠いかも知れませんが、知らないバンドさんたちに爆音で乗り込むシェイズの雄姿をぜひとも見に来ていただきたいと思います。

 

  

   

 2008年 5月11日 ライブ報告  新宿クロウダディ・クラブ with シェリー・ママ 

 

定期的にライブを開催し始めてから今回11回目を迎えたシェイズ・ライブは新宿のクロウダディ・クラブで行いました。

 

バンド仲間で厚い信頼関係にあるシェリー・ママさんとのジョイント・ライブですが季節外れの肌寒い5月11日(日)はたくさんのお客さんに来ていただいて大成功で終了できました。

クロウダディのマスター、スタッフ、共演者のみなさんにまず感謝します。

 

さて、ちょっと前に夏日を記録した天気がこの日は10度ちょっとという肌寒い曇り空になりました。

それでも前日の練習から少しテンションを上げていったシェイズはドラマーの腕の痛みというアクシデントはあったものの、コンディションはまずまずといった感じで本番を迎えました。

 

会場のクロウダディ・クラブはマスター(経営者)のロックに対する豊富な経験と知識、そして音楽に対する並々ならない愛情が随所に感じられるロック・バー&ライブ・ハウスで、ステージ周りの設備もなかなか充実しているすてきな場所です。

一見コンパクトに見えるステージはモニターも細かくセットされ、キーボード用のレスリー・スピーカーやLEDの照明、スモーク、余裕のパワー・アンプ、何台も用意されたギター・アンプ、そしてこれが特筆ものなのですが音楽の基盤であるベース・アンプの鳴りとヌケのよさ、これらにはほんとうにやる気が出てしまいました。

 

ドラム・セットは日本メーカー全盛の最近では珍しくなった?名器ラディックのセットが重心のどっしりとしたピッチでチューンされていて、なかなか迫力がありました。

 

では当夜のセットリストです。

 

 1 レット・イット・ロール(UFO)

 2 ネバー・イン・マイ・ライフ(マウンテン)

 3 ビア・ドリンカー&ヘル・レイザー(ZZトップ)

 4 ライフ・フォー・ザ・テイキング(エディー・マネー)

 5 想像されたウエスタンのテーマ(マウンテン)

 6 ストーン・コールド・ハーテッド(ブラッド・ライン)

 7 ラヴ・トゥ・ラヴ(UFO)

 8 レイジー(Dパープル)

 9 リトル・ウイング(デレク&ザ・ドミノス)

10 バーン(Dパープル)

 

自分達で言うのもなんですが、今回のセットリストは自信作です。

重さと熱さと哀感をセットリスト全体で表現しています。

いつも言うように我々はオープニングの選曲がその後のステージの出来不出来を決めるように思えて、慎重にその効果を考えて決めています。

今回は知っている人にはとてもインパクトがあり懐かしく、知らない人にはいきなり強烈なビートでヒートアップする曲を持ってきました。しかもこの曲は中間部に美しいスローなギター・ソロが挿入されているので、オン・ビートのノリノリ感とバラード・タッチの両方をのっけから客席に投じるというワザとしても秀逸だと思えます。

 

2,3,4は前回のてきふらライブの曲を並べました。2は前回のオープニング・ナンバーでしたが、バリエーションを考えた場合、ハード一色のモノトーンのこの曲より今回の#1の方をオープニングにした方が、面白いかな、という考えからでした。

 

5は不肖、私バンマスがメイン・ボーカルを務めました。思えば学生時代の定番レパートリーでしたから過去に何度となく歌いましたが、キーボードがしっかりバッキングしてくれた今回は懐かしさとともに充実したサウンドの中で歌えたので幸せでした。

我らがメイン・ボーカルはこの間にノドを少し休めることが出来たはずです。

 

さて後半は前回からお披露目しているジョー・ボナマッサのバンドの曲です。

いわゆるハード・ロックとはそのノリがちょっと違うんですが、ステージの真ん中にこういう「同業他社」的なサウンドを持ってくることは聴き手の耳をリセットする効果もあり大切な事だと僕は考えています。

 

そして#7. 初披露です。数ヶ月前、ウチのギターがこの僕らにとって懐かしい曲を<ヨーロッパ>というバンドがやっているのを「Youtube」で見たと言ってきた瞬間に採用決定になった曲です。そもそも弦の二人はかなり好きな曲だったのですが、数年前はボーカルに嫌われていました。変則3拍子で歌いにくいことが第一の理由だと思いますが、時が経ち、我らのボーカルもこの曲を難なくこなせる自信と力がついたようで、今回は積極的に取り上げてくれました。

イントロの神秘的なピアノは随所にリピートされますが、時折7拍子にもなるこの変拍子の曲でも常に安定したキーボードを弾いたウチの姫に拍手を贈ります。

また、歌の部分は4拍子と3拍子が交じり合い、その間の取り方は理屈でのコピーでは到底出来ないところを、しっかりとしたビートを発生させつつ、自信を持ってこの曲を引っぱっていってくれたウチのドラマーにも感謝します。この曲と#4は絶対にドラムスが主導しなければなりたちません。

これはビッグバンド・ジャズにおけるドラマーがあらゆるリード楽器を差し置いて、シンコペやアクセントを先取りして引っぱっていくのによく似ています。

ここでのドラマーは指揮者でもあり、曲の全体の楽譜(スコア)を把握しているリーダーでもあります。そんな重要な任務がドラマーにはあり、今あげた2曲はもとより、ロック(に限らず、ですが)の演奏の要はこのパートにあります。

曲全体を完全に把握したドラマーは最強です。バンドをぐいぐいと引っ張っていくので、曲の構成の変化に対し、微妙に先取る形で(それは主にオカズと呼ばれるフィル・インで行われる)メンバーのプレイのタイミングを指示し、出のミスを防ぐ役目も果たすのです。

 

で、そういう意味でもこの#7はほぼ完璧なドラム・リードで完成しました。

僕個人はこの曲を今後の定番にしたいです。

 

さて8-9-10はシェイズのエンディングの定番です。

もう珍しくも驚きもないでしょうが、我々のセットリストの傾向として、オープニングでドカンとスターマイン(花火)を打ち上げ、中間で夕涼みをし、最後に耳に馴染んだナイアガラの仕掛け花火で怒とうの締めを迎える、というのが定着しています。ウチの紅一点、姫さまがいいプレイをしていたでしょう? 聞き取ってもらえましたか。

 

我々はこのセットリストに満足をしていました。演奏中もどこかとてもリラックスしていて、ステージ機器のおかげもあるんでしょうが、お互いの音を楽しんで聞く余裕すらありました。

また、聞いてくれたお客さんが最後の曲が終わった瞬間に「1本の一時間ドラマを今、見終えた」と思ってもらえるようなストーリー性を持った1つの流れというものを意識したセットリストを今後も心がけたいと思うのです。 

 

  

   

 2008年 3月 9日 ライブ報告  てきふら企画ライブ第32回に出演 

 

春らしい暖かい晴天の下、シェイズにとって実に3回目の出演となる新宿は荒木町にあるロックバー「テキサス・フラッド」の主催による「てきふら企画ライブ」の模様を恒例によりレポートします。

 

毎回前置きが長くなってしまうので今回はそれを省略しこのライブの感想およびシェイズとしての反省点などを書いていきます。

 

1.レノン

 

トリよりオープニング・アクト(一番手)で登場したいシェイズの思惑とはちょっと違ってしまいましたが、この晩の一番手は「レノン」というバンドさんでした。

フォーク・ロックをサウンドの基本に据えた明るく楽しく軽快な音楽は、聴き手はもちろん演奏者がとても楽しんでいたようで気持ちが良かったというのが全体の印象でした。

よく通る声を持つボーカルさんやカントリー・ミュージックのフレーヴァーを感じさせるギターさんらがその印象を強調していましたが、バックのリズム隊、とくにベースさんの安定感には一目置いてしまいました。 とにかく音楽をやっているのが楽しくてしかたがないといった明るいステージにはストレートに共感しました。

 

2.シェイズ

 

ここでシェイズの出番です。2番手というとても落ち着きどころのないハンパな出順になりましたが、どうであろうとシェイズはシェイズのサウンドで真っ向勝負をかけました。

過去2度の(ステージ上の)立ち位置を修正しステージやや上手にボーカル、そしてドラム、ほぼセンターにベース、そしてやや下手にギター、下手にキーボードという配置をとりました。(下手は<しもて>と読んでくださいね。たまに<ヘタ>と読む人がいますので・・笑)(↓注)

(マネージャーはいつものように客席で気をもみながらの観戦です!)

 

これが幸いしたのか、演奏中の意思疎通がいつもより上手く出来たように感じられ、それが結果として破綻のないストレートな演奏になったような気がしています。

どの曲も平常心で演奏する事ができ、テンポの乱れも少なく安定したビートとノリを軸に伸びやかにハードロックの様式美を表現できたと思っています。

 

で、恒例のセットリストの公開をしておきます。

与えられた時間は40分でしたので練習の段階で用意していた曲を1曲減らして7曲を演奏しました。

 

1 ネバー・イン・マイ・ライフ (マウンテン)

2 ビア・ドリンカー & ヘル・レイザー (ZZ トップ)

3 ライフ・フォー・ザ・テイキング (エディー・マネー)

4 ストーン・コールド・ハーテッド (ジョー・ボナマッサ with ブラッドライン)

5 レイジー (ディープ・パープル)

6 リトル・ウイング (デレク&ザ・ドミノス)

7 バーン  (ディープ・パープル)

 

#1は73年来日のマウンテン公演で派手な花火(マグネシューム)とともにオープニングを飾った曲です。大好きだったこの曲があのブドーカンで鳴り響いた時はドギモを抜かれました。

そんな若き日の思い出をそのまま今回のシェイズのオープニングに使ってみました。

 

#2はリード・ヴォーカルをサイド・ヴォーカルが追いかけ交互に歌う重めのロックンロールを持ってきました。ZZトップのようなヘヴィーな横揺れは再現できませんが、多くのお客さんがその新鮮な響きに耳を傾けてくれたようです。

 

#3は重量級のロック・バラード。 タイミングを取るのがとても難しい歌をヴォーカルがよく歌いきってくれました。またドラムの確信に満ちた叩きっぷりにはある種のすがすがしささえ感じました。そしてキーボードのきれいなオブリガートが客席に吸い込まれて行った時、他の楽器もそれにつられて気持ちの良い音を出せたように思えました。

 

#4は短いMCの後にスタート。ジョー・ボナマッサという人のギター・フレーズをコピーするのは非常に難解な作業でウチのギターは大変な努力をしたようです。フレーズの再現という意味ではまだ不完全でしたが、決められた枠の中にそのフレーズを封じ込めたその努力には長年の友人ながら大きな敬意を表したいと思いました。また、このブラッドラインというバンドは名前(血統)のとおり、偉大なミュージシャンの2世がメンバーです。ドラムスはかのマイルス・デイヴィスの息子、ベース&ボーカルはオールマンのベーシストの息子です。

だからというわけじゃないのですが、このバンドのグルーヴ感は奇跡的でさえありまして、いわゆる簡単そうでいてマネが難しい、といったサウンドなのです。

ハードロック的アプローチでこの曲をこなそうとすると重くなりがちで、練習も主にそちらの克服を中心に考えてやりました。 おおむね良好な結果となったようです。

 

#5はもうお馴染みの曲。結成時からたびたびやっていましたので曲の隅々まで熟知しているつもりなのですが、微妙なタイミングをアンサンブルに要求する難曲なのでなかなか伸び伸びと演奏するという境地にまで達していないのが実情です。当夜のお客さんの中に、この曲を聞いて鳥肌が立った、と言ってくれた方がいらっしゃいました。とてもうれしい感想をもらいました。

 

#6と#7はシェイズの定番でありテーマ曲のような存在になりました。

ゆっくりとレイドバックしたサウンドからまさに火の出るようなハードロックの真髄を聞かせる流れはしばらくは不動のものと思います。特に後者#7はスリリングさと様式美を聞き取ってもらえたら最高にうれしいです。

 

 

さて、シェイズの後の3番手のバンドさんは省略して次はトリを飾ってくれた旧友・ふうさん率いる「気狂屋」さんへといきたいと思います。

 

このバンドさんとは2年半前初めて共演しました。その時のライブでご一緒したバンドさんらとは今も密接な交流が続いています。シェリー・ママ、ビハインド・ブルース、シェイズそしてこの気狂屋です。

 

今回もこのバンドはチャー(ピンク・クラウドなど)を中心にしたレパートリーを引っさげての登場でした。とにかくトリオなのでみんなが忙しく演奏しないと隙間だらけになってしまうので大変です。それに加えてこれでもか!っというような仕掛けの多い曲がほとんどなので、一寸たりとも気を抜けないのです。仕掛けや構成を憶えるだけでもかなりの苦労と努力が必要なアクロバットみたいな演奏がすごい音量で攻めてきます。やるほうはもちろん、聴く方も自然に力が入ってしまう、そんな演奏でした。ギターとボーカル担当のふうさんは声量がやや不足気味に終始しましたがあれだけの複雑極まりない曲の数々をどんどんこなしていく様子をみてそんな物足りなさもいつのまにか吹っ飛んでしまったようです。ここはリズム隊の頑丈さも特筆ものでした。

 

 

以上で今回のレポートはおしまいですが、このページはシェイズの公式ページでありますから、バンマスの僕の独断的感想はカットしました。

 

最後に応援に来ていただいたみなさま、ご来場ほんとうにありがとうございました。

メンバーに代わり、お礼を申し上げます。       バンマス

 

 

(注)舞台用語で上手(かみて)とは客席から向かって舞台の右側をいい、対して、左側は下手(しもて)と呼ばれる(英語では逆に舞台から見ていうので「上手」は"stage left"、「下手」は"stage right"となるのに注意)。 

 

  

   

 2007年10月 7日 ライブ報告  赤坂グラフィティ ライブ (SHERRY MAMA 主催) 

 

恒例、秋の「赤坂ライブ」は爽やかな秋の日に行われた。

主催はシェリー・ママ。 シェイズは3年連続・3度目のお誘いを受け、感謝の気持ちでいっぱいだ。

 

思えばシェリー・ママとは2005年8月の初共演以来のお付き合いだ。ちょうどあのころシェイズは休止状態だったステージ活動を再開した頃だ。

最初はこのお祭りライブのことを詳しく知らないままセットリストを作って参加したが、その後はこのイベントのカラーがつかめるようになり、それなりのセットリストで臨むようになった。

しかしシェイズのように活動歴が長いとそれなりにカラーが決まってしまう。なかなか人が望むような曲を網羅できないでいる。 でもそれが自立したバンドというものだ。

あくまで重くしかも美しい流れのハードロックをこれからも追求していこうと思っている。

 

 

さて、今回は4バンドの共演となった。

 

今回の斬り込み隊(最初のバンドさん)はチープ・スリルズというジャニス・ジョップリンのトリビュートバンドだ。メンバーのベースさんのアクシデントで急きょ、アンプラグド(生ギター中心)でのステージとなった。なかなかのサウンドでいい雰囲気だったが、僕としてはいきなり爆音でジャニスをやってくれると思っていたのでちょっと気が抜けた(=残念だった)。

 

ボーカルは上手いと定評のある女性だが、あの調子で唄い続けたら、近いうちに無理がたたるような気がして心配になった。上手いだけに、限界をたびたび超えるような発声はなるべく控えた方がよいと思っている。そんなせいもあってわりとレンジの狭い曲で彼女の味を十分に感じ取れてその上手さにまた感動した。

メンバーに欠員が出てもしっかりとしたステージを作れるのは奇跡的にすごいことだ。

シェイズだったら・・・そんなことはできない!

 

僕らの後、3番目のオールド・キッズさん。過去2回の共演だが、この赤坂でしか交流の場をもっていない。僕らより若干上の年代の方たちと思われるが、ビートルズとベンチャーズという、同時代ながらも正反対のカラーのバンド(歌中心のバンドとインスト・バンドという意味)の曲を同一ステージで披露しちゃうという怖い物知らずのバンドだ。

 

みんな楽しそうにやっている。肩の力が抜けている。ファンも多くいる。僕にはそんな部分がまぶしく見えた。後半のベンチャーズになって、リズム隊がテンション・アップしたように聴こえたので、彼らのステージ終了後に僕はドラムさんに初めて話しかけた。

ベンチャーズのドラマー、故メル・テイラーのような巻き込むスネア・ワークがとても良かったと僕は言った。そうしたら彼はうれしそうに答えてくれた。「ついつい熱が入っちゃうんですよ」。 

ほんとに好きなんだなぁ、と好みをしっかりともち続けているそのドラマーに同世代の共感をも覚えた。

お客さんも多く持っているようで、客席のリアクションもなかなかだった。ただし残念なのは(以前からそうなのだが)ギターのチューニングが甘い。ステージ上の本数も多いので特に念入りに調整をお願いしたい。

 

トリはもちろんシェリー・ママ。

正直言う。彼らのサウンドは変わりつつある。

初めて共演した時のバンド・カラーとは明らかに違う。過去にサイドボーカルが存在していた時と比べてもロック色がいっそう強調されてきた。

事実、セットリストも以前のジャニス系のフィールからアメリカンなもの、ブリティッシュなもの等へとそのベクトルが多彩になってきた。特にGFRを取り上げるようになった去年辺りからは主流派ハードロック・バンドになってきた感じだ。

 

バックのハモンド・プレーヤーのぎっちょんさんなどは明らかにそのスタイルが重厚になってきている。以前のパフォーマンス的な弾きぶりが影を潜め、確実な打鍵と和音選びをしていて、よく脇を固めている。バンド内の和声において「中音域」を担当する鍵盤奏者の持ち味は、弦楽合奏に例えるとビオラのような「内声」の動きに出る。上(ギターやヴォーカル)や下(ベース)に挟まれたこの音域の充実は目立ちにくいが、バンド全体のサウンド・イメージにかなりの影響を与えるものである。その点を踏まえてあえて書くと、ベース(せっちゃん)の弾く、同じ音形がしばらく続くようなシークエンス時の指のこわばりによるリズムの不安定な瞬間もキーボードが自然な形でフォローしているのがよく分かる。

バックメンバーのこだわりと充実を感じることが出来た。

 

さらに、ボーカル(ようこさん)の音程が安定してきたことが目立った。音程ブレには2つあって、フラットするもの、シャープするものがある。海外のオーケストラのアンサンブルにおいて、ソロ・パートを目立たせるためにその奏者は微妙にピッチをシャープさせる。これは周囲の音に埋もれないようにするための技術だ。ようこさんの場合は、唄っている時にピッチが少し上がることがある。これはヴォーカルとしては(意識していないだろうけれど)得な部分だ。

今回のステージでもその声量もさることながら、このピッチの上ずりが効を奏して、バンド全体がブライトなサウンドに聴こえた。彼女の歌にはハートがある。これからも大切にしてほしい。

 

以上の部分が、僭越だが、特に目立ってすばらしかった点の数々だ。

 

 

さぁ、やっと本題のシェイズ。(すでに書くのが疲れてきた!)

 

まずは恒例のセットリストを書き出そう。

 

1.ミシシッピ・クイーン (マウンテン)

2.ブラッド・オブ・ザ・サン (マウンテン)

3.ビア・ドリンカー&ヘル・レイザー (ZZトップ)

4.メイク・アップ (フラワー・トラヴェリン・バンド)

5.スターゲイザー (レインボウ)

6.リトルウイング (クラプトン・バージョン)

7.トレイン・ケプト・ア・ローリング (エアロ&ジェフ・ベック・バージョン)

8.タクシー・ドライバー (J・ウォーク)

9.バーン (Dパープル&Gヒューズ&ホワイト・スネーク混合バージョン)

 

 

ステージの初めの2曲にマウンテンを持ってきたところの新鮮さを強調しておきたい。

マウンテンというバンドは巨漢レスリー・ウエストのギターとボーカルが目立つバンドである。

が、実はベーシスト:フェリックス・パッパラルディの地を這うようなベースラインによってグルーヴ感を出している。マウンテン大好き人間としての僕(バンマス)はこの点を強調したラインを重く歪んだ音質でベースを唸らせることでインパクトを出せるよう努力した。

この重い2曲を先頭に持ってきたことでシェイズの<重み嗜好>を感じてもらいたかったのだ。

#2では、バンマス・ブログでもちょっと触れたが、ベース(僕)が重大なミスを犯した。コーラス数の数え間違い。魔が差した。得意な曲だけに痛恨の極みだ!

 

その次の#3は3コードの単調なベースラインに乗りつつも、華麗にツイン・ボーカル・チェイスが聞ける曲を選んだ。最初の2曲はひたすら重く、が狙いだったがこの曲はちょっと違う。

ZZの重いブルース系のロックンロールを聞いてもらうのには最適だった。

メイン・ボーカルとサイド・ボーカルの声質が違うので、このチェイスは明快に聞き取れたのではないだろうか。ミスらしいミスはなかった。

 

メイクアップはキーボード奏者・マユミ姫の出番。大変目立つフレーズを安定して弾いていた。

そのせいでみんながノリノリになった。

セットリストでは軽い「間奏曲」といった位置付けの日本の70年代前半の代表曲でもある。

だからシェイズはこういう曲は普段の息づかいと同じ感覚でなんなく出来てしまうのだ。

 

スターゲイザーはセットの中盤に置く曲では本来ない。長いし重過ぎるからだ。

この曲をどういう位置に置くかは多くの意見があると思う。シェイズも考えた。

結果は、ダラダラ?と続く原曲のエンディングを縮小して演奏時間を短縮し、重過ぎないように前後のバランスをとったのだった。

前回のライブで初披露しているので大した練習もなしにさっさと片付けた。この曲はイメージ的には大曲な感じがあるが、実は大した曲ではなく、こけおどしの側面がある曲だと思う。

シェイズの定番には今後残らないかもしれない。

 

リトルウイングはシェイズの定番なのでその出来は安定している。作りも単純なのでそうそうミスもしない。魔物も邪魔しにくい曲なのだ。今回もよく出来たと思う。

 

ちょうどいいのでここで書くがシェイズが「魔物」と称している演奏中のミスは、そのほとんどが技術的ミスではない。十中八九、構成を忘れる・仕掛けを飛ばす、といったミスである。

 

トレイン~は今回初披露だった。シェイズは一時期静かなロックを多くやっていた。

この曲は5年ほど前、鍵盤姫がやりたいと言って持ってきたものだったが、これを当時我々はさっとハードロックに仕上げたので、期待もしていなかった姫は驚いたのだった。

シェイズってハードロックやれるの?

姫はそう言った。 

バカモノ!シェイズは元来ハードロック・バンドなのだぞ!

・・・そんな曲が今回リバイバルし、セットリストに仲間入りしたわけだ。

 

この曲は簡単そうに聞こえる。ところが数ヶ所仕掛けがあって、継続するノリを維持するのがけっこう大変な曲でもある。さらにジェフ・ベックの破天荒なギター・フレーズはけっこうギタリストにとっては問題であった。さらにドラムの連打フレーズがプレーヤーの体力を消耗させる。

ドラマーにとって、ステージ後半でこんな曲をやると、最後あたりの曲では「救心」を飲んでおかないとヤバイ。

それとこの曲の中間部にはベーシスト泣かせの高速ユニゾン・パッセージがある。

僕はなぜか苦手。指使いに<自分の手クセ>がマッチしていないのだ。だからモタる。

練習中この部分が完璧に出来たことは一度もなかった。なのでセットリストの中で一番イヤな所だった。

しかしながら今回のステージの本番では奇跡的に上手くいった、と思う。

そして全体的には多少のバタバタ感があったが、及第点がつくことだろう。難しい曲だった。

 

タクシー・ドライバーは日本の歌謡ロックだ。J・ウォークが最もロックだった頃の名作である。

いろいろ難しい部分があって、数年前シェイズは一度コピーを断念した曰くつきのジャパニーズ・ロックである。今回この曲想とウチのボーカルと相性がいいと考え、セットリストに一曲だけ入れる日本語の歌詞をもった曲に選んだ。

特にダンサブルでもないこの曲なのに、非常にグルーヴ感を必要とする音楽である。

音楽理論で言うところの「代理コード」「エンハーモニクス」の多用で、同じ構成要素をもつコードなのにも関わらず、ベースの音が異なったり、ベースがテンションに回ったりと、意外に難曲でもある。

途中、ボーカルを魔物が襲ったが、この時は正直言ってとっさの修正は不可能だった。

だからおよそ半コーラスの間、帳尻が合うのをひたすら願っていた。

バンマスが個人的に愛している曲でもある。

 

最後は体力勝負のバーンである。シェイズの最近のライブではこの曲が最後に来ている。

演奏終了後の達成感がとてもあるものだから、やっぱり最後に登場となってしまう。

以前のライブでこれをオープニングに持ってきて、観客を驚かせようと画策したが、その時は曲中でキーボードのトラブルが発生し、音楽を止めた苦い思い出があるので、各機材の調子が安定する後半に持っていきたいという気持ちがあるのも事実だ。

この曲は一瞬たりとも雑念が入ったらもう悲惨である。曲に<隙間>がないからだ。

まぁそれだけスリリングなわけだ。

 

前回から中間部に挿入している「ストーム・ブリンガー」もバタバタせずに曲調変化のクサビを打てた。ギターの小節数が怪しくなった瞬間があったがドラムスがよくそれを聴いていて、機転を効かせて自分の小節を修正してくれたので、聴感上は大したミスとは思えなかったのがよかった。

 

 

以上がリポートであるが、年内は無理としても、来年冬にはライブを組みたいと思っている。

その時のセットリストに今までの何が残り、どんな新曲が登場するか・・・知恵を絞ったセットリストを作ってみなさんの前に元気なロックをど~んとお届けできるよう、せいぜい頑張りたいと思っている。

 

なお、この赤坂ライブの模様はこの記事のみではなく、バンマスの個人ブログにも違った視線での感想を書いている。 →バンマス・ブログ

そちらも合わせてお読みいただければ、ライブの模様がさらに鮮明に理解していただけると思っている。

 

ではみなさま、次回のライブでお会いしましょう! 

 

 

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